岩井明愛・千怜も使用する『EZONE GT タイプS』
ヨネックス『EZONE GT 』ドライバーは、進化したカーボンクラウンと新構造によって寛容性が高いヘッド。さらに、素早いしなり戻りと高い復元力を生む先進カーボンをソール部に複合し、従来よりもカーボン複合エリアを10%拡大、カーボンクラウンとの相乗効果で、シリーズ最高の“飛び”を実現するカーボンコンポジットドライバーとなっているという。この『EZONE GT』は、ヒール側形状が異なる『タイプS』と『タイプD』の2種類のヘッド形状があり、最適な重心距離を設定することで、それぞれの持ち球や理想の弾道に合わせて最適なつかまり性能を発揮する。『タイプS』は飛距離を、『タイプD』は掴まりがよくドローを狙っていけるヘッドになっている。
試打の前に、癸生川プロによる、『タイプS』と『タイプD』のヘッドの印象の違いについてのコメントを紹介しよう。
「『S』がスタンダードで『D』はドローバイアスを意味していると思うんだけど、形的な違いを比較すると、『D』のほうがフェースの縦方向の長さがあってデープヘッドに見えます。一方の『S』はクラウン部分が幅広でシャローヘッドに見える。投影面積としては『D』のほうが小さく見えるので、ヘッドを返したりする操作がしやすいんじゃないのかな」
岩井姉妹がツアーで使用しているヘッドは『EZONE GT タイプS』なので、試打は『タイプS』のヘッドに姉妹が使用しているシャフトを装着して行われた。
マゼンダカラーのシャフトが岩井千怜が使用する『REXIS KAIZA-L』。フレックスは5Sで、重量56グラム、トルク3.8、先中調子。
ターコイズブルーのシャフトが岩井明愛が使用する『REXIS KAIZA-M』。フレックスは5Sで、重量57グラム、トルク3.8、中調子。
明愛バージョンの『REXIS KAIZA-M』で試打
癸生川プロは「打つ前に軽く素振りすると、この辺(真ん中から手元辺り)が硬い感じがする。それで真ん中から先が動く感じ。実際に打つと、弾道的には球が強いなという印象ですね。つかまりで言うと、ちょっと球がつかまり切らない感じはあるかもしれない。ヘッドとの相性で言うと、ノーマルのシャフトを使うよりも、このシャフトで“振った”ほうが扱いやすいかな」。
『岩井明愛バージョン』のトラックマン4のデータ
クラブスピード●44.4m/s
ボール初速●66.0m/s
打ち出し角●11.3度
スピン量●3012rpm
降下角●34.9度
キャリー●239.9Y
飛距離●264.4Y
打ち出し方向●1.7度右
スピンアクシス●4.8度右
SIDE●15.8Y右
千怜が使う『REXIS KAIZA-L』にシャフトを替えて試打
癸生川プロは、構えると思わず声を挙げる。「あ、違うね。(こっちのシャフトだと)ちょっと左向きなる」というもの。そして実際に打ってからも「あ、やっぱりこっちのほうがつかまる、安心感があるかな」と、千怜バージョンのほうのつかまりの良さを感じたようだ。
『岩井千怜バージョン』のトラックマン4のデータ
クラブスピード●43.9m/s
ボール初速●65.2m/s
打ち出し角●11.8度
スピン量●2916rpm
降下角●35.5度
キャリー●237.6Y
飛距離●263.0Y
打ち出し方向●1.3度右
スピンアクシス●2.7度右
SIDE●14.0Y右
『明愛バージョン』と『千怜バージョン』のデータから読み取れることは?
「データを見ると千怜プロが使用する『L 』のほうが明愛プロの『M』よりもボールスピードが少し落ちていますが、これは癸生川プロのクラブスピードが落ちたからで、シャフト性能による違いではないと思います。弾道やデータもこの2本のシャフトを装着したドライバーで得られた数値は限りなく揃っていますね。打ち出し、スピン量、落下角度も限りなく近いです。あえていえば、SIDE(ボールの位置)が『L』が14.0ヤード右で『M』、が15.8ヤード右なので、『L』のほうが気持ちつかまったかなという感じです。でも、違いが出るというほどでもない。もうこれはシャフトの好みだと思いますね」(小島プロ)
また、小島プロがあることに気づく。
「このヘッドで二人とも弾道調整はやっているんですか? (「はい。変えています」というスタッフの答えに)。ああ、二人ともやっぱりロフトつけているんだ。やっぱり。つけたくなるよね」と小島。
癸生川プロは「さっき安心して振れた『L』で打ってみたい、彼女たちのポジションで」と食い気味に提案する。そこで、岩井千怜プロの実際のドライバー可変調整ポジションである『Hポジション』で打ってみることに。
『Hポジション』に変更後、プロのインプレッションは?
癸生川 これプラス1.5度かな。だいぶ左を向いた印象だね。別モノ、もう全然違う。(ドローバイアスのヘッドの)『タイプD』に顔が近づくよね。
小島 プレーヤーによって分かれるでしょうけど。コレは僕の好みです。つかまり方が適正ならば、フェースが左を向いていても関係ないですからね。
そこで、実際に打ってみると。
癸生川 う~ん、弾道的にはあまり変わらないね。
小島 そうですね、極端に球が上がったわけでもないし、僕は見た目から入ってくる要素のほうが大きいんじゃないかと思います。今の癸生川プロが打った球も、構えた段階で『ロフトが見えて』『つかまる』から、インパクトで無意識にちょっと逃がしましたよね?
癸生川 ああ、そうだね。
小島 そういうことを、実際にプレーヤーの好みに合わせて変更や調整ができるということです。本当に1.5度ロフトがついた状態で球を打っているとしたら、データ上ではもっと球が上がっているはずですけど、それがない。だからそういう意味でも、プロの好みのヘッドに調整ができると言っていいんじゃないかなと思います。
最後に二人の感想
癸生川 ヘッドは選びやすい。プラス、カチャカチャでさらに細かく自分に合うセッティングができると思うので、いろいろ試してみて欲しい。
小島 2種類のヘッドと、純正のシャフトや岩井姉妹が使用する2種類のシャフトを組み合わせることで、かなり多くのプレーヤーに合うマッチングができると思いますので、ぜひ自分に合う組み合わせを見つけてみてください。
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みんなのゴルフダイジェストYouTubeのみんゴル試打班「ガチギアトラック」では、ヨネックス『EZONE GT』の異なるヘッド形状の『タイプS』と『タイプD』の2つのヘッドを癸生川プロが試打して得られたデータから、小島プロがさらに細かな分析をしているので、そちらもぜひ視聴してクラブ選びの参考してもらいたい。
動画はこちらから
THANKS/アコーディア・ゴルフ 技術研究所
※2024年8月13日18時54分 一部加筆修正致しました