ツアー歴代最多の通算82勝を誇るタイガー・ウッズが賞金だけで1億2千万ドル(約173億円)を稼ぎ生涯獲得ランキング1位なのは当然のお話。だがタイガーのメジャー勝利数(15勝)を上回る18勝を挙げたジャック・ニクラスがキャリアを通して稼いだ賞金は573万4031ドル(約8億5千万円)だけで、全体の373位に過ぎない。全盛期から半世紀近くたっているとはいえあまりにも実態とかけ離れているような気がする。今回はPGAツアープレーヤーの賞金をめぐる今昔物語をお届けしよう。

いまやPGAツアーの賞金は天井知らず。現在優勝を1度もせずに1000万ドル(約15億円)以上を稼いでいる選手が19人もいる。

未勝利選手の稼ぎ頭はイングランドのトミー・フリートウッドで生涯獲得賞金は2400万ドル(35億円)を超える。DPワールド(欧州)ツアーでは7勝を挙げているのにアメリカで勝てないのはツアーの七不思議の1つだ。

画像: パリオリンピック銀メダリストでもあるトミー・フリートウッドは生涯獲得賞金2400万ドル超え。とはいえ、PGAツアーでは未勝利(写真は24年全英オープン。撮影/姉崎正)

パリオリンピック銀メダリストでもあるトミー・フリートウッドは生涯獲得賞金2400万ドル超え。とはいえ、PGAツアーでは未勝利(写真は24年全英オープン。撮影/姉崎正)

2番手が韓国のアン・ビョンフン。「よくヒデキ(松山英樹)に間違えられる」という彼はおよそ1850万ドル(約26億5千万円)を稼いでいる。あまり知られていないが09年の全米アマを17歳で制覇した逸材で大会の最年少V記録は未だ破られていない。

画像: パリ五輪には韓国代表として参加したアン・ビョンフン。松山英樹とはまったく似ていないと思うが……。欧米人には同じように見える!?(写真は24年全英オープン。撮影/姉崎正)

パリ五輪には韓国代表として参加したアン・ビョンフン。松山英樹とはまったく似ていないと思うが……。欧米人には同じように見える!?(写真は24年全英オープン。撮影/姉崎正)

キャメロン・ヤング(16000万ドル弱/約23億円)くらいなら、かろうじて顔と名前が一致するかもしれないが、デニー・マッカーシー、アレックス・ノレン、パトリック・ロジャースになると余程コアなファンではないと見分けがつかない。だが彼らも立派な1000万ドルプレーヤーだ。

画像: 画像左がキャメロン・ヤング。ヤングは22年全英オープン2位などの実績がある。画像右上がデニー・マッカーシー、画像右下がアレックス・ノレン(ヤング&マッカーシー撮影/Blue Sky Photos、ノレン撮影/姉崎正)

画像左がキャメロン・ヤング。ヤングは22年全英オープン2位などの実績がある。画像右上がデニー・マッカーシー、画像右下がアレックス・ノレン(ヤング&マッカーシー撮影/Blue Sky Photos、ノレン撮影/姉崎正)

もちろん未勝利で15億円以上を稼ぐのは実力があり、ある程度中長期的なキャリアを積んでいる証拠。世界的に名が知れていなくても実入りはかなり多い選手たちだ。

かつて優勝賞金が1億円と聞くと「凄い!」と騒いだものだが、いまは1勝すれば5億円以上稼げる時代。今季6勝のスコッティ・シェフラーはプレーオフシリーズに入る前に約2800万ドル、およそ41億円を獲得している、

ツアー73勝のニクラスが生涯で獲得した賞金のじつに5倍をシャフラーはわずか7カ月で稼ぎ出したのだから隔世の感があり過ぎる。

もしかしたらそう遠くない未来にタイガー超え、なんてことがあり得るかも!?

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