序盤の3番パー5で2打目を右の池に入れてボギーが先行したが、続く4番パー3でティーショットを1.5メートルに乗せてバウンスバックバーディ。そこからは危なげないプレーでバーディを積み重ね14番から3連続バーディを奪ってリーダーボードのトップに躍り出た。
17番でバンカーからパーセーブできずボギー。一歩後退したものの持ち前のショットとパットが噛み合い、この日のストロークゲインド:パッティングは+2.595で全体の1位。絶妙なパットでストレスのない初日を終え首位のクリス・カークに1打差の2位タイにつけた。
ロストバッケージなどアクシデントの多いことで知られるロンドンの空港。盗難被害に遭ったのは本人だけではなかった。長年コンビを組む早藤将太キャディと黒宮幹仁コーチはパスポートを盗まれ渡米できず、パスポートとビザの再発行手続きのためロンドンから日本に戻らなくてはならなくなった。
そのためセントジュード選手権は早藤キャディの代役として今季久常涼のバッグを担いだ田渕大賀氏を起用。手続きに少なくとも2週間かかるためトップ50に絞られるプレーオフ第2戦BMW選手権も松山は田渕キャディとこコンビで戦うことになりそうだが、現時点で支障はないようだ。
今季ジェネシス招待で優勝し、ポイントランク8位でプレーオフ進出を果たした松山には年間王者のチャンスが残されている。
今季6勝のスコッティ・シェフラーとメジャー2勝のザンダー・シャウフェレが優位ではあるがトップ30による最終戦ツアー選手権の結果次第で十分に逆転もあり得る。
昨年最終戦でビクトール・ホブランに敗れ逆転で年間王者のタイトルを逃したシェフラーはこんな本音を漏らしている。
「プレーオフ2戦目までトップを走っても最終戦をケガで欠場すればポイントランクは30位に落ちてしまう。そういった意味ではシーズンを通してのナンバー1決定戦という謳い文句と少し違う気がする」
とはいえゴルフは最後まで何か起きるかわからないゲーム。逆転の美学にファンは魅了される。
昨年はルーキーの年から現役最長の9年連続出場していたツアー選手権の出場を逃し、トップ50にとどまった松山。だが今季はすでにキャリア10回目の最終戦進出は確実。今年は是非大願を成就させて欲しい。