1時間に7~10ミリの雨が降るなか始まったAIG女子(全英女子)オープン2日目。初日を1オーバーの32位タイでまとめた河本結は現地時間の8時06分にティーオフ。雨はスタート後すぐに止んだが、初日同様、強風が吹き荒れるコンディション。セントアンドリュース攻略のために“準備”をしてきたという河本の2日目を現地からレポート。
画像: 2日目スタート直後の1番ホールでバーディを奪い、グータッチをする河本(撮影/姉崎正)

2日目スタート直後の1番ホールでバーディを奪い、グータッチをする河本(撮影/姉崎正)

初日ホールアウト後に「2日目の課題は風との“付き合い方”」と話した

1オーバーと“我慢”のゴルフとなった初日の終了後、ラウンドの改善点を河本に聞くと「風の計算がまだ合っていない。横風が当たる、当たらないの読みがうまくいかずに想定外のバンカーに入ったり、グリーン奥にこぼれたりなどがありました。私はフェーダーなので特に左からの風はしっかりフォローとして読まなきゃダメだなと。各ホールの風の方向を体感したことを元にアップデートして、明日に臨みたい」と前向きなコメントを残し、会場を後にしました。

画像: 風をしっかりと読み切ったことで初日に比べ、ティーショットの精度が上がった(撮影/姉崎正)

風をしっかりと読み切ったことで初日に比べ、ティーショットの精度が上がった(撮影/姉崎正)

そして始まった2日目。1番からバーディ発進でスタートダッシュを決める。そこから3番、5番とバーディを奪い、着実にスコアを伸ばすラウンド。昨日のコメントのとおり、風の読みがバッチリ合い、ショットの精度が増していた。ところが、ラウンド中盤から昨日よりも強い風が吹くコンディションとなってしまう。すると7番(パー4)。パーオンには成功したが、11番との共有グリーンのため、かなり長いバーディパットに。その3打目を寄せきれず、残った2mのパーパットはラインに乗っていたもののショート。痛恨のボギーに。

ボギーが決まった瞬間、キャディと顔を見合わせ笑っていたように感じたので、その時の状況をホールアウト後に聞くと「7番から11番は海が近くて、他のホールより風が遥かに強いんですが、パーパットを打つときに風の影響で“ド”ヒールに当たっちゃったんです。今まで打ったことの場所で打ったので『こんなヒールに当たっちゃたよ』と笑ってしまいました」という。3パットのボギーは本人にとって、かなり悔しいはず。しかし、そこを顔に出しすぎないのが河本。結果、そこから崩れることなく、前半を2アンダーでまとめた。

画像: 3.5度のやや寝たロフトを使いセントアンドリュースグリーンの攻略を目指す(撮影/姉崎正)

3.5度のやや寝たロフトを使いセントアンドリュースグリーンの攻略を目指す(撮影/姉崎正)

後半に入ると10番、12番、16番とボギーが先行する苦しい展開だが、最終18番をバーディとし、2日目はイーブンパー、トータル1オーバーの30位タイで決勝ラウンドにコマを進めた。

多くの選手が風の影響を受け、スコアを崩すなか、河本が2日間、しっかり耐えられた理由を「パッティングを準備してきたから」と話す。全英女子オープンの会場、セントアンドリュース・オールドコースは強いアンジュレーション(グリーン上の凹凸)がある。河本はこのグリーン対策を橋本真和コーチと練ってきた。

「日本のツアーのイメージで打ってしまうとロフトが立ちすぎて球が地面方向へ強く出てしまいやすい。そうすると強いアンジュレーションや凹凸の影響をもろに受けてしまい、しっかり打てたとしても球が跳ねて入らなくなってしまうんです。なのでロフト3.5度(通常のパターはロフト3度)で打ち出し角をいつもより出してあげるようにしたんです。一応、ロフト4度のパターも持ってきたのですが、3.5度で感覚もちょうどよかったのでこれで本戦に臨みました」(河本)

風の影響こそあるが、パットの調子は見ていても悪くなかった気がする。明日への意気込みを聞くと「今日はショット、特にウェッジで打つときの風が難しかった。最終18番のバーディを取った場面も60Yを52度のスリークウォーターで打つくらい風の影響がすごかったんです。明日も同じようなコンディションになりそうなのでウェッジの感覚を調整し、明日、上に行くにはチャレンジが必要だと思うので積極的に行きたいです」と河本。

1オーバーの30位タイから始まる決勝ラウンド。「準備」をしてきた河本がどこまで上位に食い込んでいけるか注目したい。

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