今も昔もトップ30入りは真の実力者の証。その大会に現役最多の10回出場する松山に対する評価はもしかしたら日本より海外のほうが高いのかもしれない。
大谷翔平の40-40(40盗塁40ホームラン)が大きく報じられるなかプレーオフ初戦のフェデックス・セントジュード選手権で優勝した松山の扱いは決して大きくなかった。だが海外メディアは大々的に日本のエースの素晴らしさを紹介した。
フェデックスカップ年間王者システムがスタートしたのは2007年。初代王者にタイガー・ウッズが輝いた。当時15億円のボーナスが話題になったがツアー選手権で後続に8打差をつけ圧勝したタイガーはウィニングパットを沈めても顔色ひとつ変えないクールさだった。
09年にも年間王者のタイトルを獲得したタイガーだがそのときはツアー選手権優勝を逃している。再び同大会で優勝したのは18年。そのときはポイントランクでタイガーを上回ったジャスティン・ローズが年間王者の栄冠を勝ち取った。
ツアー選手権の成績がそのまま年間王者に直結するシステムに変わったのが19年。昨年はシーズンを通して他を圧倒したスコッティ・シェフラーが絶対優位だと思われていたが最終日に63をマークしたビクトル・ホブランに優勝をさらわれ6位タイに終わった。
今年もポイントランク1位で大会に挑むシェフラーは「おそらく2度続けて負けることはないと思う」と不敵な笑みを浮かべる。
マスターズを含む今季6勝、パリ五輪では金メダルも獲得した世界ランク1位の彼が名実ともにナンバー1であることは誰もが認めるところ。10ストロークのアドバンテージを得て大会に挑む彼は初の年間王者獲得に意欲を見せている。
ジョーダン・スピースやジェイソン・デイらメジャーチャンピオンたちも今年はトップ30入りを逃している。世界ランク20位台のマックス・ホーマやトム・キムも姿を消した。
入れ替わりの激しいツアーの荒波を乗り越え出場するだけでも難しいツアー選手権に10回も出場している松山はライバルも一目を置く大したプレーヤーなのだ。
BMW選手権は初日好スタートを切りながら股関節と腰の痛み、さらに風邪の症状が出て2日目スタート前に棄権した。
シャフラーが10アンダーからのスタートする最終戦でポイントランク3位の松山は7アンダーからのスタートとなる。体調さえ戻れば松山の逆転王者も夢ではない。