「時間を重ねても大きなタイトルなんだなっていうのを感じました」(諸見里しのぶ)
ツアー7勝で1993年に同大会を制した原田は歴代優勝者の資格で出場。LPGAの副会長も経験したベテランプロの挑戦だ。
「理事を退任して3年続けての出場になります。若い子たちに負けないようにトレーニングして準備もしてきました。スポンサーや応援してくれる人、私のプレーを見たいというファンもいます。公式戦を年2回勝ち、現役のころに頑張って勝ち取った権利なので、全力で戦いたいと思います」
ツアー10勝で95年と2000年の2度同大会を制している高村も歴代優勝者。8年前にガンを患い、練習もできずジュニアゴルファーを中心にレッスンしながら、病気に打ち勝って完治した。練習を再開し、"現役の状態"で今大会に出場する。
「体のコンディションも良くなり、今大会で戦うことをモチベーションにして練習してきました。全米シニア女子オープン出場も目指しています」
闘病から復活したベテランプロの熟練したゴルフが注目される。
上田桃子と同い年でツアー9勝の諸見里しのぶは09年の歴代優勝者として出場。19年にツアーから一線を退くことを発表し、先日のパリ五輪では女子ゴルフの解説で山下美夢有のメダル争いを見守るなど、解説やリポーターなどでも活躍している。生まれ故郷で良く知るコースでの出場を決めた。
「2009年の優勝した時もうれしい気持ちが強かったんですが、15年の時を経て地元名護市でメジャー大会が開催される、そこに出場ができることに2009年勝ってよかったなって。メジャー大会でタイトルを取るってその一瞬だけではなくて、時間を重ねても大きなタイトルなんだなっていうのを改めて感じました」
今年のソニー 日本女子プロゴルフ選手権は優勝賞金3500万円の高額賞金大会。3年シードが得られ、年間5勝の竹田麗央らが”勝てれば米ツアーに挑戦できる”と若手の現役選手たちには大きなメリットのある大会。
一方で、諸見里が喜んだように、一線を退いたあとでも何度でも挑戦できるという大きな出場チャンスを獲得できる大会でもある。
女子ゴルフ界は選手寿命が短いと言われる。レギュラーツアーから離れ、第二のゴルフ人生を歩む選手は多い。若いころに未来の出場チャンスを勝ち取ることがどれほどのメリットか計り知れない。