ボール位置2個分左に!「打ち出し角の確保、大事なんだ」
教えてくれた人/和田貴之さん(59歳・HC+3.0)
わだたかゆき。日本ミッドアマや企業対抗戦などにも出場する会社員トップアマ。改めて“飛ばし”に目覚め、飛距離アップに取り組んでいる。
安定性には低い弾道/飛ばしには高い弾道
長くトップアマとして活躍する和田貴之さん。競技者の宿命として、飛距離よりも安定性を求めるのは当然としても、それで飛距離が240ヤードまで落ちるのは大問題。和田さんの打開策は、ボール位置の見直しによる打ち出し角アップだった。
ティーも高くなった今の「飛ばしアドレス」
早く着弾する低い弾道は、トラブルになりにくいがキャリーは出にくい。ボールを左足寄りにすると、自然にアッパー軌道でヒットでき、キャリーが伸びる。手元が中に入ると引っかけやすいので、手元も左に寄せるのがコツ。
【アドレス時の注意:目線を高くしすぎない】
「やっぱり飛ばないと楽しくないですからね。ただ、スウィングを大きく変えたくもないので、ボールを2個分左足寄りに置いて、自然にアッパー軌道になるようにしました。ティーの高さもやや高めに変更。ボールに合わせて、手元も左にずらす(ハンドファーストにする)のがポイントで、そうしないとフェースが閉じすぎてしまうんです。これだけで飛距離は270ヤードまで飛ぶようになりました」
ボールを高く打ち出そうとすると、目線もそれに合わせて高くしがちだが、そうするとアドレスやスウィング軌道が狂いやすい。目線は地面と平行に保つことが大事だという。
POINT①
左ほほに壁がある意識で振る
ボールが左だと、無意識に自分も左に動きたくなるが、そうすると最下点が左にずれてアッパー軌道インパクトにならない。左ほほ横に壁があり、それにほほを触れさせない意識だと、右重心+アッパー軌道で打てる。
POINT②
目線の位置をずっとキープ
切り返しからインパクトまで、頭の位置を動かさないのは大前提。トップでのボールの「見え方」がインパクトまで変わらないように意識。見え方が変わると、最下点もずれてヘッドが上から入る。
ヘッドが走る“クラブの使い方”をしよう!「ゴルフクラブは釣り竿と一緒なんだ」
教えてくれた人/植田悠斗さん(26歳・ベスト71)
20歳からゴルフを始め、わずか5年でベストスコア71を出す。競技で成績を残すため、今は週イチ以上の練習を欠かさない。
先端が速くなければ飛距離につながらない
飛距離の3要素(初速、打ち出し角、スピン量)のうち、初速だけは「速ければ速いほど」飛ばしに有利になる。そのためには、ヘッドスピードを上げる必要がある。飛距離の出る人に共通するもの、それは当然ながら「ヘッド」の速さ。逆に飛ばない人は、手や体を速く動かせても、肝心のヘッドが速くないことが多い。
POINT①
右ひじを体につけて下ろす
「右ひじを体にくっつけたまま下ろせると、ヘッドが遅れてきて、インパクト直前までリリースのタイミングを遅らせられます。切り返しからは右ひじが地面方向を向くイメージ。右わきが空くと、ヘッドが先に下りてタメがなくなります」
グリップを握りすぎるとムチのように使えない !
「右手の人さし指と中指は添えているだけの感覚」と植田さん。インパクトでは瞬間的に強く握るが、アドレスや切り返しなどそれ以外の部分ではできるだけ緩く握るほうがシャフトをしならせられる。
POINT②
胸を回転させて振り下ろす
「切り返しで手はそのままにして、まず胸を回すと、腕とクラブが遅れてクラブのしなりが作れます。それでインパクトに向かって先端が走る。ただ、腰が早く開きすぎると振り遅れてスライスになるので注意です」
ボールを押せるようになった !
シャフトをしならせられるようになり、ヘッドの意識がインパクトの先まで持続するようになった。「当てる」だけでなく、そのあと「押し込む」イメージに変わった。
植田悠斗さんは、スポーツ経験豊富で初心者の頃から240ヤードは飛んでいたというが、力任せのスウィングから、あるとき「もっとシャフトをしならせて、先端を速く振ればいいのでは」と開眼し、現在は270ヤードまで飛距離が伸びた。
文/菅原大成
写真/有原裕晶、大澤進二、岡沢裕行
協力/森林公園ゴルフ倶楽部、ゴールド佐野カントリークラブ、富士カントリー笠間倶楽部、BAY GOLF CLUB、長津田ゴルフガーデン
※アマチュアのみなさんにはボランティアとしてご協力いただきました
※月刊ゴルフダイジェスト10月号から一部抜粋
みんなのゴルフダイジェストでは、【トップアマの飛距離アップ術】の和田さん、植田さん編をお届けした。月刊ゴルフダイジェスト10月号、Myゴルフダイジェストでは5回に分けて飛距離アップの秘訣を掲載している。続きは下記リンクから !