先週の「ソニー日本女子プロゴルフ選手権」を1打差の2位で終えた山下美夢有選手と、9位タイで終えた岩井明愛選手の一騎打ちとなった最終日。4打差を追う明愛選手は出だしから3連続バーディで2打差に詰め寄ると、前半で5つのバーディを奪い13アンダーまでスコアを伸ばし猛追します。
一方、山下選手は、出だしのバーディのあと8番までパーを並べ9番でバーディとし14アンダーで折り返します。明愛選手は13番のバーディで山下選手に並ぶと15番のパー5でグリーン横まで運び約4メートルの下りのスライスラインを強気で決め15アンダーと一歩リード。
残り3ホールとなり、194ヤードと距離のある16番パー3で山下選手は左奥のピンをドローで攻め1.2メートルからバーディを奪い再び15アンダーで並び返します。
17番は330ヤードの短いパー4で明愛選手は2打目を4メートルにつけると、落ち着いてこれを決め1打のリードを持って最終18番ホールへと向かいます。
最終18番パー4のティーショットは左の池方向に飛びヒヤッとする場面にも、落ち着いてピン手前に乗せ1メートルのパーパットを決め今季3勝目を手にしました。
惜しくも敗れた山下選手は、出場3試合続けて2位という結果に「悪いなりにまとめていますが、それでは勝てない。今のショットをしっかり直して来週に向けて頑張りたい」と3年連続の年間女王に向けて終盤戦を戦う意欲を聞かせてくれました。
先週、暑かった沖縄での「ソニー日本女子プロゴルフ選手権」もあり、明愛選手も山下選手も疲れは残っているはずですが、最後までどちらが勝つか予想できないデッドヒートの展開にギャラリーも大きな歓声で声援を送りました。
2日目に6バーディノーボギー、最終日には8バーディノーボギーと明愛選手らしいアグレッシブなプレーで勝利を手にしましたが、スタート前に4打差あったこともあり「今日は勝とうと思わなくていいや」と気楽に行こうと思っていたといいます。それは先週の最終日に「自分が勝たなきゃ」と自分を追い込んでしまったこと反省を生かしたといいます。
欲を捨て、目の前の一打に集中したプレーで2年連続の女王を相手に勝ち切った明愛選手。今後の終盤の戦いでも元気に活躍するプレーを見せてくれるでしょう。
写真/大澤進二