足の幅と両つま先の向きを確認
GD 前回は正しいアドレスを作るときに大事な8つのポイントを学びました。最初は概論で、今回は各ポイントについてさらに詳しく掘り下げていくということでしたね。
原田 今回はまず足の幅から説明しましょう。前回は体幹ターン、いわゆるボディターンができる足の幅を推奨していますよ、というところまで説明しました。今回はそこから少し踏み込みます。クラブを左に(フォローサイド)に振ったときには、体重が左足に乗って右足つま先が立って足の裏が後ろを向きます。その際に右ひざが左ひざに寄ってくるようにしたいんです。だから右ひざが左ひざに寄ってくることができる足の幅、これがアドレスの正しい足の幅なんです。
GD その右ひざが左ひざに寄ってくるという動きについてですけど、右ひざと左ひざの間にすき間がなくなるようにしたほうがいいんですか?
スタンスが狭いほうがクラブを振りやすくなる
原田 そうですね。繰り返しますが、そのときに右つま先が立って、足の裏が後ろを向いていないとダメですよ。
GD ちょっとやってみます。あくまで自分の感覚ですが、もう少し広いほうが安定感がある気もしますが……。
スタンスを広くすると「体重の移動を伴った回転」ができない
原田 足の幅を広く構えると、外圧には耐えられますが、広いと体重の移動を伴った回転ができないですね。仮に体が回っても体重の移動ができなくなっちゃうんです。
GD 確かに、そうですね。自分は気持ちよく回転して左へ振っていったつもりですけど、右足に体重が残っています。その証拠にシューズの右つま先がつぶれています。つま先に体重がほとんどかからず、ちょこんと立っている感じが正しいのに。
原田 ハーフスウィングのベースになる体幹ターンで大切な3つの重要ポイントをもう一度思い出してください。ひとつめは体重の移動を伴った回転、2つめは右軸を作ったときに下半身と上半身をねじる動き、3つめは左軸を作ったときにアドレス時の背骨の角度を保つ、でしたよね。
GD そうか、ひとつめの体重の移動を伴った回転が、足の幅が広いと難しくなってしまうということですね。そう考えると、足の幅は正しいスウィングをする上で、疎かにしてはならない大事なこと。それが改めて分かった気がします。
原田 それはよかったです。では、次は8つのポイントの2つめ、アドレス時の両つま先の向きを説明します。
つま先の向きは、右足が直角、左足は30度開く
GD 右足のつま先はターゲットラインに直角で、左足つま先は30度くらい開くのが正しいということまで説明していただきました。
原田 その通りです。まずね、右足つま先ですが、これをターゲットラインに対して直角にするのは、上体を右に回したときに右ひざが伸びないように踏ん張りたいからです。右足のつま先が開いていると、右ひざが伸びやすくなってしまいます。
GD ちょっと試してみます。右足のつま先を開いて構え、クラブを上げていくと……。あ、そうですね。右ひざの向きがあらかじめ右を向いているので、ひざが伸びてしまいました。で、直角にしておく場合はひざ頭が前を向いたままになるので、ひざが伸びず、ひざの高さも変わりにくいです。
原田 右足つま先をターゲットラインに対して直角にしておくことによって、バックスウィングで体を回したときに、右足親指が地面から浮かなくなり、右ひざの動きは止まるんです。
GD ハーフスウィングの完成度を高めるためには、クラブを上げていくときに、右ひざだけでなく両ひざの位置が動いてはいけないわけですから、それを踏まえて考えると、右足つま先をターゲットラインに対して直角にしておくことで、右ひざはもちろん、両ひざの位置が動かないようにしておくことが可能になり、結果としてハーフスウィングの完成度が上がるというわけですね。
原田 その通りです。