2009年にスタートした本大会は、アジア太平洋地域のアマチュアゴルフの発展を目指しアジア太平洋ゴルフ連盟(APGC)、R&Aとマスターズトーナメントで設立された。2010年に優勝した松山英樹は、翌年のマスターズでローアマを獲得。そしてその後の活躍は言うに及ばず、まさに世界へと羽ばたくきっかけとなった大会といっても過言ではない。
松山のほかに、2018年金谷拓実、2021年中島啓太と、日本人選手は過去14大会で4勝と相性のいい大会。会場は加盟各国が持ち回りで開催するサーキット方式で、今年は松山が優勝した2010年大会の霞ヶ関カンツリー倶楽部西コース以来の日本開催となる。そして、会場は数多くの国際大会の舞台となってきた太平洋クラブ御殿場コース。2018年にリース・ジョーンズの設計、松山英樹の監修で改修を行った。
本大会出場者はディフェンディングチャンピオンのジャスパー・スタッブス(オーストラリア)をはじめ、世界アマランキングで米国人以外ではトップに立つウェニー・ディン(4位)、7月の全米ジュニアアマチュアで準決勝に進出したシュアン・チャン(35位)の中国勢など、43の国と地域から選手が集まる。
対する日本勢は世界アマランクで日本勢最上位の中野麟太朗(早大)のほか、隅内雅人(日大)、福住修(専修大)、ナショナルチームの松井琳空海(香川西高)、本大志(アリゾナ大)ら、10人がエントリー。若手に交じって、昨年の日本ミッドアマを制した47歳の豊島豊も出場する。
練習日の10月1日に丸尾怜央(日章学園高)、松井と練習ラウンドをしていた中野は、「5月に開催されたISPS HANDA 欧州・日本どっちが勝つかトーナメント! や、早稲田大学ゴルフ部の斉野恵康監督と一緒にラウンドした先週とは、グリーンの速さがぜんぜん違いました。昨年のロイヤルメルボルンGCはかなりラフが深く、ブッシュもあり、フェアウェイ以外はかなりタフなセッティング。それに比べると、御殿場Cのラフはそこまで深くないので、パッティングが入れば結構スコアは出ると思います。今日の練習ラウンドではかなり読み通りにパッティングが入っていたので、調子は良いと思います。この大会に勝って、マスターズに出ることをずっと目標にしてきました。とはいえ、気負わずに優勝を目指してプレーしたいです」とリラックスした表情で語った。
また、小林翔音(日大)や本と一緒に練習ラウンドを行った福住修は「太平洋C御殿場Cを回るのは初めてでした。グリーンは少し軟らかく、もう少し硬くなったら厄介だと思います。ラフの長さはそこまで長くないのですが、空いているのか長さの割にはしっかりボールが沈む印象です。せっかくマスターズへ続く大会なので、出るからには優勝を目指します」と力強く話してくれた。
そんな福住は大学4年生ということもあり、JGTOのQTを受験中。富岡倶楽部で実施されたファーストQTは3位という優秀な成績で通過している。今大会で優勝した特典であるマスターズや全英オープンで出場できるのは、“アマチュアのみ”。このことを確認すると「たしかにそのとおりで、もちろん優勝したらマスターズと全英オープン優先で考えます。ただ、セカンドQTを継続するかどうかは優勝してから考えます!」とのこと。
地元開催で日本人5勝目を挙げられるか!? 明日からも現地からレポートします!
なお、大会は10月3~6日まで入場無料! 各国のトップアマの技術を間近で観られるチャンスなので、お時間がある方はぜひ、太平洋クラブ御殿場コースまで。
撮影/小林司