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PGAツアープレーオフ最終戦のツアー選手権で松山英樹が使ったことで話題になった『スリクソン ZXi』シリーズ。松山の使用モデルは『LS』で、他に『TR』、『MAX』、そして今回試打をするスタンダードモデルの『スリクソンZXi』の4機種が今秋にデビュー予定だ。
『スリクソン ZXi』の10.5度で試打を開始
まず、癸生川プロから見た印象は「オーソドックスな綺麗な顔で、少し平べったい感じを受けるヘッドですね。フェース面も見えて、上がりやすそうだなと言うのが構えた時の第一印象です。少し先(トゥ側)が逃げているように見えるから、左に行くようには見えないかな。僕は嫌いじゃないです」。
▼クラブスピード42m/s前後で試打スタート
まずクラブスピード42m/s前後で打った時の弾道をチェック。打球は中・高弾道で、センターから左に11.7ヤードつかまったドロー系。
【42m/s前後の試打データ】
トラックマン4のデータ
クラブスピード●43.1m/s
ボール初速●64.6m/s
打ち出し角●13.3度
スピン量●3703rpm
降下角●39.8度
キャリー●235.7Y
飛距離●255.5Y
打ち出し方向●1.8度左
スピンアクシス●3.8度左
SIDE●11.7Y左
GCクワッドのデータ
Hインパクト●0ミリ
Vインパクト●0ミリ
この結果を見て、癸生川、小島の二人が弾道の検証とクラブ特性を検証。
癸生川 見た目の印象通りに球が上がりますね。打感はどちらかというと硬めかな。球が簡単に上がってドロー回転してくれる感じだね。
小島 スリクソンというとアスリートブランドなので、ちょっとハードなのかなと思うけど。シャフトの雰囲気とか弾道とかを見ると結構やさしいのかなと思いますね。
癸生川 上がりやすくてつかまりやすいモデルになっているのかなと思います。
小島 スピン量は3703rpmと多いですが、逆に言うと、スピン量を抑えたドライバーが多い中で、スピンがしっかり入ってくれて球を上げやすくコントロールしやすいクラブなのかなと思いますね。
ロフト10.5度で先端が軟らかいDiamana ZXi50のフレックスSの組み合わせだともう少しクラブスピードを落としたほうが合うということで、40m/s前後で試打をしたが、結果は、スピン量が3741rpm、降下角度41.9度と、さらに球が上がる結果に。そこで、もう一段クラブスピードを下げて38m/sで打つことに。
▼クラブスピード38m/s前後で打つ
打球は中弾道で、センターから左に6.6Yつかまったドロー系。
【38m/s前後の試打データ】
トラックマン4のデータ
クラブスピード●37.3m/s
ボール初速●56.0m/s
打ち出し角●12.2度
スピン量●3023rpm
降下角●31.2度
キャリー●191.0Y
飛距離●218.5Y
打ち出し方向●1.9度左
スピンアクシス●2.1度左
SIDE●6.6Y左
GCクワッドのデータ
Hインパクト●4ミリヒール
Vインパクト⚫︎0ミリ高
この結果を見て、癸生川、小島の二人が弾道の検証とクラブ特性を検証する。
癸生川 これくらいのスピード帯が良い飛び方をしてるよね。
小島 そうですね。10.5度ということもあると思いますけど、シャフトとヘッドのトータルバランスで球が上がりやすという印象ですね。
癸生川 つかまりも良いと思うけど。
小島 でもそんなに極端につかまるということでもない。
癸生川 まあそうだね。
小島 コントロールしやすいとは思いますよね。
42m/sで打った時の結果を見て小島プロが言ったように、アスリート向けの『スリクソン』にしては『球が上がりやすいし、結構やさしい』という印象は、クラブスピード38m/sという一般ゴルファーの領域においても当てはまるようだ。これは驚きの結果が出た。
10.5度/9度の違いを検証
10.5度は球が上がりやすいという結果が出たが、さすがに9度になると、どうだろう。42m/s前後で打ってみる
その前に、10.5度と9度の構えた時の印象の違いを癸生川は、「構えた時の見え方は、ロフトは立っていて、フェース面は左には向いていないという印象ですね」と、そこは、さすがにアスリート向けの『スリクソン』だが、実際に打った結果はどうだったのか。
▼9度を42m/s前後で打ってみた
球筋は中・低弾道で、センターから6.4ヤード左につかまるドロー系。
【ロフト9度の試打データ】
トラックマン4のデータ
クラブスピード●42.3m/s
ボール初速●63.1m/s
打ち出し角●10.8度
スピン量●3382rpm
降下角●35.7度
キャリー●226.0Y
飛距離●248.6Y
打ち出し方向●2.0度左
スピンアクシス●1.2度左
SIDE●6.4Y左
GCクワッドのデータ
Hインパクト●6ミリトウ
Vインパクト⚫︎2ミリ高
この結果を見て、小島プロが解説をする。
「弾道の高さを示すボールの降下角度は30度から40度の間が適正と言われる中で、ちょうど中間の数値(35.7度)です。これは、打ち出し角が高いのではなくて、むしろ打ち出しはちょっと低め(10.8度)です。弾道が高くなったのは、スピンがロフト9度にしては多めの3382rpmだから、ちょっとスピンで持ち上げて高さを作ってくれるようなイメージですね。もちろん癸生川プロの打ち方の影響もあるけれど、(9度でも)スピンがそんなに減るモデルじゃないなという印象はありますね」
今回の試打では、10.5度場合は適応するクラブスピード帯は38m/sから42m/sと広範囲に及んだが、9度の場合はどうだろう。小島プロに聞く。
「9度の場合は、42m/s前後のスピード帯でいいんじゃないのかなと思います。これ以上速いと、球がちょっと弱くなる(スピン量が多くなる)と思いますし、逆にこれより遅いとちょっと弾道が低くなりすぎるかなと思うので、42m/sくらいが合ってくるのかなと思います」
まとめ
今回の試打で癸生川・小島の両プロはズバリ!『スリクソン ZXi』をどういったゴルファー層に勧めるのか。
癸生川 球が上がりやすくて、つかまりやすい。自分で上げず、クラブで上げてくれるので球が低くて悩んでいるプレーヤーにはお勧めですね。
小島 アスリートモデルにして、これだけ上がりやすいとなると、これまで10.5度しか使ったことが無い人でも、一度9度を試してもらえると、一つの選択肢として出てくると思うので、試してみてください。
今回のガチギアトラックで、アスリート志向の強いブランドである『スリクソン』のスタンダードモデル『ZXi』の10.5度は、平均的アマチュアのHS38m/sで打った時に、充分に球が上がるという驚きの結果が出た。つまり、松山英樹が使用する憧れの『スリクソン』ブランドのドライバーを一般アマが使えるモデルが出た、ということか……。
詳細は、次回以降の『スリクソン ZXi』シーリーズの「ガチギアトラック」で検証。
みんなのゴルフダイジェストYouTube・みんゴル試打班「ガチギアトラック」では、この『スリクソン ZXi 』のロフト10.5度で、トウやヒールに外した時の許容性に関する検証もしているので、そちらもぜひ視聴して、クラブ選びの参考してもらいたい。
動画は
こちら !