解説/尾崎慶輔プロ
おざき・けいすけ。1991年生まれ。徳島県出身。ゴルフを始めたのは中学3年生。東北福祉大出身で、まだ未勝利ながら豪快なショットと巧みな小技を武器に今季はABEMAツアーをメインに戦っている。2022年には2週連続でホールインワンを達成して話題に
スピンもロブもアドレスの基本は同じ!
GD スピンアプローチの構え方から教えてください。
尾崎 オープンスタンスにしてカットに振っている人が多いと思いますが、実はスピンにしてもロブにしてもスタンス幅を変えるだけで、目標ラインに対して真っすぐに構えます。
GD オープンに構えるのがセオリーだと思っていましたが?
尾崎 最近はむしろクローズが主流です。両足のつま先を結んだラインを目標ラインと平行にセットして、真っすぐヘッドを出します。理由はボールに横回転が入らないので距離感が合いやすくなるからです。あと、ボールがスッポ抜けずにフェースに乗るので距離感が合いやすいからです。
●体のラインはすべて目標ラインと平行になる
左足のつま先は目標方向に開くものの、両肩、腰、両ひざのラインは目標ラインと平行にセット。ターゲットに対してヘッドを真っすぐに出しやすくするための構えを作る。
●グリップエンドはおへそに向けて構える
手元はハンドファーストにせずにグリップエンドをおへそに向けるようにセット。手元は常に同じ位置で、ロブショットを打つ場合は右足だけを広げることでスタンス幅を変えて対応する。この場合も手元の位置は変えない。
GD 真っすぐに構えるときの注意点は?
尾崎 左足のつま先を開いています。ヘッドを目標方向に出しやすくなるからです。また、ボール位置に関しては左足のかかと線上で、ロブを打ちたいなら右足を広げスタンス幅を変えるだけでOKです。
スピンアプローチはボールを運ぶように右手で包み込む
GD スピンアプローチってそもそもどう打つのですか。
尾崎 推奨するのはボールをすくうようにヘッドを真っすぐ出す打ち方ですね。
タテ回転のバックスピンが主流
以前はフェース面を斜めに使うのが主流だったが、それではサイドスピンがかかってしまうので距離感を合わせづらい。いまはタテのスピンをボールにかけて距離感を合わせながら止めるのが主流。フェースのトウ側部分の溝を多く使うことによってタテ回転のバックスピンを入れやすくなる。
GD 打ち込むんですか?
尾崎 いいえ、右手のひらでボールを包みすくい打つイメージです。目標とボールを結んだラインに対して、そのライン上にヘッドを動かすように振ります。こうするとフェース面上をボールが乗っている時間が長くなるのでスピンがかかるんです。あとは、構えた時にできる手首の角度を変えず、手首を返さないように振れればOKです。
スピンアプローチのポイント
手元が体から離れないように振る
ヘッドの軌道は「真っすぐ&真っすぐ」で、そのためにアドレスでできた手首の角度を変えずに振る。手首の角度が崩れるとヘッドがアウトサイドから入りスピンが利いたとしてもサイドスピンになり距離感を出しにくい。
グリップエンドがおへそを指し体との間隔を変えない
フォローも同じで手元が体から離れないよう、体の回転で振り抜く。
スピンアプローチは目標ラインに沿ってヘッドが動くのが理想!
真っすぐ構えて真っすぐに振ることで、ボールはタテ回転がかかり距離感が合いやすくなる。ショットと同じように振る感覚で、カットに入れたり打ち込んだりは基本的にしない。目標ラインに沿ってヘッドが動くといい。
PHOTO/Tsukasa Kobayashi THANKS/平川カントリークラブ
※週刊ゴルフダイジェスト10月22日号「キュッキュッと止める"スピン"&フワッと浮かす"ロブ"」より一部抜粋【ロブ編】につづく