教えてくれた人:小暮博則プロ
「梅雨時にも生きてくる技術です!」
タイガーのショートゲームコーチだったStan Utley氏に師事し、世界水準の理論を習得。帰国後は企業ゴルフ部のコーチなど、アマチュア指導にも精力的。PFGA代表
クッションを使えない時こそスピンの出番!
いつまでも“転がし”だけじゃ上達しない
「前提として最もリスクが低いのは転がし。スピンアプローチはステップアップの技です」と冒頭からスピンアプローチの位置付けを力説する小暮プロ。
「ひと昔前であれば、転がし一辺倒でスコアは出たかもしれません。でも最近、グリーン自慢のゴルフ場が多いですよね。メジャー大会のような速さや硬さのグリーンを売りにしたコースは珍しくなく、さらに砲台も多い。そこでスコアアップを目指すのに、ぜひトライしたい技なのです」
要するに、転がしだけで取れないパーがあるということ。さらに、これからの時季に特有の問題もあると小暮は言う。
「ツアーが開催されるコースはグリーン周りまで締まっていることから、手前でクッションを入れる計算もできますが、一般的なコースはグリーン周りが軟らかいことのほうが多く、雨がさらにそれを助長します。一方でグリーンの水はけが良く、グリーンは締まっていることも少なくありません。だからこそグリーン面に落とし、球を止める技術が必要となるわけです」
では、いざ実践。僕らにもできる? 「できます! 」(小暮)
初めてのスピンアプローチ 3つのステップ
STEP.1:身体をしっかり回す ←本ページで紹介!
STEP.2:芯を外して打つ
STEP.3:スピードを上げる
イン・トゥ・インでヘッドをビュンビュン走らせる!
スピンアプローチの入り口は「速く振る」
「3つのステップさえきちっと踏めば、そう難しくありません」と小暮プロ。
「まずスピン量を増やすには、しっかりとヘッドを走らせることが不可欠です。『これじゃ飛びすぎる』と思うかもしれませんが“振って飛ばさない”のが本質。フェースを開いて構え、ロフトを立てて当てすぎないことで飛距離は抑えられます。イン・トゥ・イン軌道で長く球を押すことも大事ですね」
ただし、手先で速く振ろうとすると打点は安定しない。あくまでも、わきを締めて体重移動を抑え、体の回転だけでヘッドを速く動かすことが重要だ。
「慣れないうちは左足体重で右かかとを浮かし、体を回してください。だんだん体の回転で振る感覚がつかめるはずです」
後述するが、ヘッドの入射角も関係してくるためフォローは低く。
体をしっかり回す4つの注意点
①ADDRESS 左足体重で右かかとを上げる
回転をスムーズに行うために、左足体重で右かかとを上げてアドレスする。さらにボールを普段より少し右に置き、フェースを開くことで「飛ばない構え」を作ることも大事だ。
②BACK SWING 体の回転主体で体重は左に乗る
左足体重でターン。このとき両わきを締めることで、クラブがねじれず自然とインに上がる。アウトサイドに上げるとその後の動きが複雑になるので注意。
③IMPACT 手の位置はハンドレイト気味
ハンドファーストでインパクトすると、ロフトが立ってしまうため球が前に行く力にスピンが負ける。「スピンをかけたいときはハンドレイトくらいが良いです」と小暮プロ。
④FOLLOW 手の位置は低くインに振り抜く
手が高いフォローはアッパー軌道で振っている証拠。「これではスピンがかかりません。また、左ひじを抜くとヘッドが走らないことから、こちらもNGです」と小暮プロ。
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※小暮博則プロが教える3ステップのうち、「STEP2/芯を外して打つ」「STEP3/スピードを上げる」方法は2024年7月2日号「週刊ゴルフダイジェスト」か、下記の「Myゴルフダイジェスト」でチェックしてください!
※2024年7月2日号「僕にもできるスピンアプローチ」より一部抜粋