6月の全米シニアオープン2位により、米国シニアツアーのプレーオフに出場中の藤田寛之。第1戦、第2戦を勝ち抜き、見事、最終戦への出場権を獲得した藤田は、同時に2025年のツアーメンバー資格も取得。
この偉業を盟友・宮本勝昌に聞くと「凄いことです。この凄さは他の誰よりボクがわかることだと思います。とても誇りに思います。羨ましいという気持ちもありますが、これでボクが米国シニアに行ければ2人で一緒に戦えるわけです。それって楽しいだろうなって。楽しみしかないです。1997年とか98年くらい、ツアーに出始めた頃の気持ちが沸き上がってきていて、絶対にボクも行きたいって思っています」とコメント。
そんな偉業を達成した藤田の応援に駆け付けたのが、週刊ゴルフダイジェストで連載『フジタの時間』を描く漫画家・政岡としやだ。『フジタの時間』がスタートしたのは2012年、藤田がレギュラーツアーの賞金王に輝いた翌年から。途中、原作者が変わって休載があったものの、同連載は計500回を超える。週刊誌では異例の10年以上の長期連載だ。
政岡は今年、文化勲章を受章した漫画家・ちばてつやの弟子で、漫画を描き続けて60年の大ベテラン。“フジタ”を描き続けた政岡は、初日の前半9ホールを同行。藤田をどう見たのか?
「藤田さんはね、雰囲気がやさしさで満ち溢れています。今日、久々に会いましたけど、意外に顔が小さいのに驚きました。私が書くフジタはもっと顔が大きいから。今度から少し小さく書かないとダメだね。逆に宮本さんは、ギャグ漫画みたいに描きやすいんです。漫画はその人の特徴を出さないと面白くなりませんから。実は試合で藤田さんに付いて回るのは初めてなんですよ。やはり生で見るのは最高です。とくに音がいいです。打球音がね。音は漫画では出せないから、いろいろな言葉を駆使します。パカーン、ビシッ、ズンッとかね。いろいろ考えて音を作りますけど、生の音のほうが、断然気持ちがいいです。プロはみんな、いい音させていますね」
応援を受けた藤田も喜んでくれていた。火曜に帰国したばかりで時差ボケも抜けていないだろうし、体も万全とは言えないはず。藤田は「(コスモヘルス)試合にエントリーしていますからこちらの都合でキャンセルするのは失礼な話です。この試合に出て、またアメリカ(最終戦)に向かいます」と語ってくれた。
米国シニアツアープレーオフ最終戦「チャールズ・シュワブカップ選手権」は、11月7~10日に開催。コースは米国アリゾナ州・フェニックスCCだ。