小祝さくらは野球が大好きだ。今年1年、みっちりツアーを戦っていくなかで、〝野球の時間〟が最高のリラックスタイムにもなった。野球観戦は、忙しい合間にキャディの小畑貴宏氏や、仲良しの竹田麗央と行くことも多かった。小畑氏、竹田、2人とも大の〝ジャイアンツ党〟。プロ野球プレーオフシリーズの2次ラウンド、読売ジャイアンツ VS 横浜DeNAベイスターズの最終戦も一緒に観戦したが、1点差で日本シリーズ進出ならず。
「ジャイアンツが負けて腹が立ちました。日本シリーズ、どうでもいいですね(笑)。ドジャース戦のほうが気になります」と小畑氏が言えば、地元北海道の日本ハムファイターズ〝推し〟の小祝さくらも「(日本シリーズは)推しのチームがいないので……逆に大谷選手だったり、ニューヨークヤンキース戦のほうが楽しみです」と、発言がシンクロしていた。
しかし、実は密かに、今年日本一となった横浜ベイスターズの森敬斗選手のことを「カッコいいかも……」と思っていたらしい。
以前はキャッチャーの役割もイマイチ理解していなかったが、ルールにもだんだん詳しくなって、マネジャーにあれこれと教えられるまでになった。今年は、野球をプレーすることも多かった。竹田麗央と公園でキャッチボールしたりする時間も貴重なリラックスタイム。2人とも、どこでもすぐにできるように、車にキャディバッグなど試合道具と一緒にグローブを積んでいるのだ。
そして、バットの振り方などを〝野球上手〟でもある竹田に真剣に聞いて、メキメキ上達した。「さくらさん、なかなか打てますよ、ふふふ」(竹田)
野球好きのさくらのために知人の方が贈ってくれた水色の可愛いグローブも、竹田の私物「グラブハンマー」を借りて、叩いてならして使っている。フライボールを取るのに、思わずよけてしまったり、落下地点までフラフラとぎこちない動きで移動するさくらの〝面白野球〟も、もうすぐ見られなくなるかもしれない。
先日行われたキャディ&女子プロの野球の試合では、さくらは7番ライト。無難な打順とポジションだ。キャディの間では「女子プロ接待野球」として、打ちやすい球を投げたりしていたらしいが……さくらはしっかりヒットも打ったし、盗塁も決めた。
ゴルフに運動神経は関係ないときっぱり言っていた小祝さくら。「スポーツ選手だから皆が運動神経があるというわけでもない。プロゴルファーに必要なのは、メンタルの強さとか、そういったほうが大事なんだろうなと思います」。ゴルフも野球も、気持ちの強さで、楽しみながら上達していく。
※週刊ゴルフダイジェスト2024年11月26日号より(PHOTO/Shinji Osawa)