
試打をした勝又崇之プロ
試打&解説
勝又崇之プロ
専修大学卒業後の08年プロテストでトップ合格。ギアに造詣も深く、自らの試打データを弾道計測器並みの正確さで予測できる。現在は東京・上石神井の「GOLFPLACE」でレッスンを行う。
「PT」の素直さはそのままに やさしくなって万人受けの「GC」
「『ツアーAD』といえば2006年に発売され、ナチュラルなしなりと素直な挙動で多くのプロに支持されてきた『ツアーAD PT』。長らく『ツアーAD』の基準となってきたシャフトで、弾道の高さと、ドロー、フェードの球筋の程度を表すポジショニングマップでは『ツアーAD』のほぼ真ん中に位置してきました。違うモデルを試しても、結局『PT』に戻って来るプロも多いんです。何を隠そう、自分もずっと使っています。その理由は、やっぱりクセがなくて、タイミングが取りやすいから。ただ、球はそこまで上がらず中弾道。

キックポイントは中調子
それに比べて新しい『ツアーAD GC』は高さが出ます。『PT』のクセのなさはそのままに、やさしく進化した感じです。素材とテクノロジーの進化でシャフトがねじれないので曲がりにくく、つぶれないのでトウダウンしない。かといってガチガチではなく、ヘッドが低く入って高打ち出し、低スピンになるようにシャフトが自然に動いてくれるしなやかさがある。でも、動くけど余分なことはしない。これは万人受けするシャフトです。ヘッドは小ぶりなアスリートモデルのキャロウェイ『パラダイム Aiスモーク ♦♦♦S』で打ちましたが、何球打っても安定していました。大慣性モーメントの大型ヘッドでも振り遅れることはないでしょう。
ラインナップは重量&フレックス違いで14本になる
スペックを上げて『6X』を打っても適度に球がつかまるし、ボール初速は速く、そして『PT』より球も上がる。もはや言い訳できないくらいクセがないシャフトです。こういうシャフトを使えばスウィングがよくなると思います。『ツアーAD』の新しい〝ど真ん中〞シャフトの誕生です」(勝又プロ)
新基軸硬度設計

ツアーADの「A」はACCURACY、「D」はDISTANCE
先端部~中間部にかけては太く設計した「先太形状」にすることで、繊維量を変えずに高い剛性感で変形を抑え、手元~中間部にかけては、カーボン繊維を輪回転方向に揃えることで先端と手元側の剛性差をなくし、一体感を持たせる「ADシールド」を搭載。この2要素が合わさりシャフト全体の剛性、振動数が向上した。
どこが変わった?

写真右が2006年発売の「ツアーAD PT」、写真右が今回の「ツアーAD GC」
名器「ツアーAD PT」のクセのなさと自然なしなり感はそのままに、最新のスウィングと大慣性モーメントヘッドに対応できるように最新素材とテクノロジーを導入。スウィング時に発生するシャフトのねじれとつぶれを抑え、高いミート率と速いボールスピードで安定した飛びを生み出す。
勝又’s 試打インプレッション

4S 重量/49g
「5Sよりは全体が動く感じだが、先がしっかりしているから、しなやかに戻って来て大慣性モーメントのヘッドでも遅れる感じがない。切り返しのタイミングも取りやすい」

ツアーAD GC-4(フレックスS)
5S 重量/56g
「自分で思っている以上にヘッドスピードが出ます。クセがなくヘッドが戻って来てくれるのでドローが打ちやすい。HS42~45m/sくらいの人に合いそうなスペック」

ツアーAD GC-5(フレックスS)
6S 重量/65g
「5Sや4Sに比べて戻って来る感じがやや少なめ。つかまる感じはあるのにシャフトがつぶれないのでサイドスピンが入りにくい。余計なことはしないのにしっかり仕事する」

ツアーAD GC-6(フレックスS)
早くもプロが実戦投入!優勝にも貢献
「ヘッドの動きが少なくて暴れにくく、ブレずに収まる」(石川遼)
石川遼は6月のツアー選手権で「ツアーAD GC」を投入して2位、2週後のJAPAN PLAYERS CHAMPIONSHIPbyサトウ食品で早くも勝利。

石川遼は「ツアーAD GC」に変えて2勝
「サイドスピンが減った感じで曲がりを気にせずに振れる」(上田桃子)

今季限りでいったんゴルフから離れる上田桃子も「ツアーAD GC」を使用
PHOTO/Akira Kato、Hiroyuki Okazawa、Hiroaki Arihara
THANKS/GOLF PLACE