11月21日(木)~11月24日(日)JLPGAツアーチャンピオンシップリコーカップ

2023年度リコーカップ
会場:宮崎県 宮崎カントリークラブ/18ホール、6497ヤード、パー72
賞金総額:1億2000万円、優勝賞金:3000万円
1979年にスタート。2001年からリコーが特別協賛となり現在の大会名に。2003年から宮崎CCを舞台にしている。その年の国内女子ツアー優勝者、米国女子ツアー優勝のJLPGA会員、ロレックスランキング上位者など、40名しか出場できないエリートフィールドで、予選落ちはない。
プレーバック2023

山下美夢有がリコーカップを制し、年間女王にも輝いた。

山下美夢有が大会2連覇を達成!
最終戦までもつれた年間女王争いは、大会連覇のかかる山下美夢有、申ジエ、岩井明愛の3人に絞られた。
初日、同組でまわった山下と申は揃って4位と好発進。2日目に山下は「69」でまわり首位と1打差に2位に浮上するが、申はパープレーで5位に後退。すると山下は3日目もスコアを伸ばし単独首位に浮上。最終日も「70」で逃げ切り、シーズン5勝目、通算11勝目を挙げた。
2年連続の年間女王は、2015、2016年のイ・ボミ以来8年目。最終戦連覇は2007、2008年の古閑美保以来4人目。また2年連続年間5勝はツアー制施行後4人目となった。
主な副賞(2023)
メルセデス・ベンツ EQB250、PENTAX K-3Mark Ⅲ、宮崎キャビア1983、宮崎特産 宮崎牛10kg

副賞として宮崎キャビア1983が贈られた
桑木志帆のコーチ兼みんゴル特派記者中村修が語る注目選手
「会場の宮崎カントリークラブはコーライ芝が採用されているコースです。独特の芝目もあるので、落としどころによってはアプローチの難易度もかなり変わってくるでしょう。ピン位置によっては絶対に外してはいけないところもあるので、攻めながらも攻めすぎない絶妙なバランス感覚が必要になってきます。また、今年は昨年までなかったセミラフ(ファーストカット)が作られているのでフェアウェイが狭くなり難易度が上がっています。選手によってはかなり狭く感じるようですし、温暖な気候のためにラフもいまだに強さがあるので、ますますフェアウェイキープが重要になってきます。海沿いのコースということもあって、風の攻略も欠かせません。高めの松林が生えてはいますが、それを超える高さの球を打つと、風に落とされてしまったり、逆に飛び過ぎてしまうことも考えられるので、風の読みも重要なポイントです。セッティングを担当し、過去の優勝者でもある中野晶さんによると、想定のスコアは9アンダーと厳しめ。優勝者のスコアを予想しながら観戦するのも楽しいでしょう」(中村コーチ)
山下美夢有

山下美夢有(2024年マスターズGCレディース、撮影/姉崎正)
プロフィール
笹生優花や吉田優利らと同じ2020年92期生。2022、2023年と2年連続賞金女王に輝いた実力者で、今季もトップ5に14回(そのうち2位が8回)と安定的な強さを見せている。なかなか勝てない辛い時期を過ごし、今季は10月の富士通レディースで初優勝、先週のエリエールレディスも制して国内メジャー3勝を含む通算13勝を挙げている。
2024年度スタッツ
メルセデス・ランキング:2位/平均ストローク:69.0789(1位)/フェアウェイキープ率:78.9809(1位)
中村のコメント
左ドッグレッグが多くてドローヒッターに有利なコースであることに加え、先週からの2連勝と大会の3連覇もかかっている山下選手はやはり外せません。飛距離が秀でている訳ではありませんが、フェアウェイキープ率もパーオン率もパッティングもいい“オールラウンダー”のプレーヤーですし、難しいセッティングになればなるほど燃えると話していたので、アメリカに向かってさらに勢いをつけてくるのではないでしょうか。
竹田麗央

竹田麗央(2024年TOTOジャパンクラシック、撮影/大澤進二)
プロフィール
尾関彩美悠や櫻井心那と同じ2022年94期生。プロ3年目である今年、KKT杯バンテリンレディスで初優勝を挙げると翌週もフジサンケイレディスでも優勝。その後も複数優勝を積み重ね、史上3人目の“日本メジャー2冠”も達成。TOTOジャパンクラシックでは6ホールに渡るプレーオフを制し、米ツアーでも勝利を挙げ、年間8勝、賞金女王にも輝いた。来季はLPGAへの挑戦も表明している。
2024年度スタッツ
メルセデス・ランキング:1位/平均ストローク:69.1933(2位)/パーオン率:77.8999(1位)
中村のコメント
竹田選手はフェードヒッターですが、ドローヒッター有利のコースでどのように攻めてくるのかは見どころのひとつでしょう。飛距離も、球の強さもあるので、高い球を打ってショートカットを狙いたいと話していました。風の影響を受けることは不可避のこのコースで、彼女の戦略が実際どのようにスコアへ繋がっていくのか見てみたいところです。毎日2、3アンダーを積み重ねれば優勝スコアとなりますし、竹田選手の9勝目もあるかもしれませんね。
小祝さくら

小祝さくら(2024年TOTOジャパンクラシック、撮影/大澤進二)
プロフィール
勝みなみや吉本ひかると同じ2017年89期生。今年のヤマハレディースオープンで節目の10勝目を挙げると、アースモンダミンカップも制して通算11勝を挙げている。おっとりとした性格とは裏腹に、2018年の開幕戦から、2024年のNEC軽井沢72まで228試合連続出場の記録ももつ“鉄人”であることに加え、トップ10入りも16回と常に安定したプレーをみせており、今季3回優勝の岩井千怜に約112ポイントの差をつけてメルセデス・ランキング4位に入っている。
2024年度スタッツ
メルセデス・ランキング:4位/平均ストローク:70.1029(4位)/年間トップ10回数:16(3位)
中村のコメント
女子の試合はコーライに始まり(琉球GC)コーライに終わりますが、小祝選手は過去にダイキンオーキッドレディスで勝ったこともあり、コーライの攻略方法がしっかり分かっていると思います。今シーズンはコーチを付けず、独力で1年を戦い抜いてきていますが、人に頼ることなくラウンド中にショットの修正ができるというのは彼女の最大の強みでしょう。ドローヒッターでもありますし、先週の成績も良かった。1年の締めくくりに3勝目を挙げる可能性も十分あると考えています。