小祝さくらは試合中、カキを食べる。牡蠣ではなくて柿。果物は大好きだけれど、そのなかでも桃や梨や柿が大好きなのだ。「本当は昔から桃が一番好きなんですけど、コースには持っていけないので……」
だから柿。朝ごはんにも、おにぎりとともに柿を食べる。ビタミンBが豊富に含まれていて、暑いときも食べやすく、疲れも取れると聞いているからだ。
小祝さくらは、「体にいい」と聞いた物事には反応してしまう。スポンサーさんにいただいたマンゴー、シャインマスカットも食べていたが、今年の夏はバナナに凝っていた。栄養補給としては最強の果物である。むくみが取れると聞いたのも大きい。
「体にいいから食べているってだけです」とバナナに対しては案外そっけない。そういえば……スポンサーさんに、高級ライチをもらったときも嬉しそうだった。ライチにはこんな思い出がある。
「最近食べていなかったんですけど、小さいときにすごく食べていたんです。好きすぎて、芽が出るかなあと思って、ライチの種をティッシュにくるんでずっと水をあげていた。そうしたら、かびていました(笑)」
大好きなものを自分で育てようとするあたり、子どものさくらは何だかかわいい。けれど、ティッシュにくるむあたりがまた、何だかさくららしい。
しかし、小祝さくらはデザートを食べるタイプではない。焼き肉を食べに行っても、最後の〝締め〟でみんながデザートを食べるとき、なぜか一人だけイカを注文して食べたこともあるし、具ナシの冷麺を食べたりもする。
この連載のタイトル(ゴルフときどきタン塩/週刊GD誌)にもなっているように、タンが大好きな小祝さくらだが、実は魚も大好きだ。でも、試合中はなかなか食べる機会が少ないのが残念だという。
「魚があれば、すぐに注文してしまいます。前に食べた串カツ屋さんでも、ギンダラがすごく美味しかったです。ギンダラの西京焼きもめっちゃ好きですよ。あとはエビとか、鮭とか、ホッケとか。貝も全部好き。フライも焼き魚も好きです。あ、アジフライ食べたいですね(笑)」と、さかなクン並みに次々と魚の名前が出てくる。
最終戦のひとつ前の試合、エリエールレディスのときも、行きつけのお店で、一番好きな食べ物と言っても過言ではない「ナマコ酢」を、仲良しの竹田麗央と堪能しようと楽しみにしていた。しかし、今年は夏の暑さからか、ナマコが入らなかった。来年リベンジする予定だ。
こうして、美味しいものとともにあった小祝さくらの1年間の戦いは今年も無事に終わった。
※週刊ゴルフダイジェスト12月10日号 〝ゴルフときどきタン塩〟より(PHOTO/Hiroaki Arihara)