グリップを握る位置は「自由」
はやしりか(以下はやし):実は先ほど取材前にスタッフさんに言われて「たしかに!」と思ったことがあるんですけど、聞いてもいいですか?
兼濱開人(以下兼濱):聞いてください! そのためにいるんで僕。
はやし:クラブの握り方は以前に教わったんですが、グリップのどこを握るかっていうのをまだ聞いてなかったんです。言われて「たしかに何も考えてなかった!」と思って。

「オーイ! とんぼ」アニメ版で主人公・大井とんぼの声を務めたはやしりか(左)と、東京都目黒区のゴルフスクール「学芸大ゴルフスタジオ」のヘッドコーチ・兼濱開人(右)
兼濱:そこが気になっちゃいました?
はやし:気になっちゃいました!
兼濱:じゃあ教えますね。「グリップのどこを握るか」という問題は、本当に幅広く言うと「自由」でいいんです。
はやし:あっ、自由なんだ。
兼濱:なぜ自由かというと、プロゴルファーでも人によって違いが出る部分だからです。例えば今平周吾選手という男子プロがいるんですけど、彼だったらグリップを余らせて短く握っています。一方でグリップは端を持ったほうがいいという選手もいて、様々なんですよ。
はやしさんの場合、現状スウィングもキレイでミートもしているので、今のところは自由でいいかなって、少し泳がせてたというか。

今平周吾はグリップを短く握るタイプのプロゴルファー(写真は2024年の日本プロゴルフ選手権 撮影/岡沢裕行)
はやし:そうだったんですね。
兼濱:でもはやしさん自身が気になったのなら、今回はグリップを握る位置にフォーカスしてみましょうか。
長く持ったときと短く持ったとき、何がどう変わる?
兼濱:まず、短く持つことも長く持つことも、それぞれメリットがあります。じゃあはやしさんに問題です。長く持つと、ヘッドにかかる遠心力は増えますか? それとも減りますか?
はやし:長く持つと……増えそう!
兼濱:その通りです。長いものを振るのと短いものを振るのでは、長いもののほうが遠心力は増えます。ということは、長く握るほうがボールを飛ばすための力を増やせると言っても過言ではありません。
はやし:なるほど!
兼濱:より飛ばしたいという気持ちがある方はグリップを長めに持つことがひとつキーポイントになります。一方、飛ばすことよりもスウィングを安定させたいなという方がグリップを短く持つ選択をしています。
だからグリップの持つ位置って、とんぼちゃんと一緒で自由なんです。だけど短く持つ意味、長く持つ意味はそれぞれ理解していたほうがいいですね。ではグリップを持つ位置を変えると、飛距離がどれくらい変わるのかを知っていきましょう。
はやし:お願いします!
兼濱:まず目一杯長く握ってみましょう。長く持つときのポイントがあって「一番長く持ってね」というとみなさんグリップエンドギリギリの位置に指が来るような握り方をしちゃうんです。でもこれはちょっと危険です。なぜかというと手の中でクラブが動き過ぎちゃうからです。長めに持つときは、左手のひらがグリップからはみ出ないように握りましょう。

長く握る際は左手のひらがグリップエンドからはみ出さない範囲で握ろう
じゃあ僕がお手本としてはやしさんの7番アイアンをお借りして、打ってみますね。
――兼濱が7番アイアンを長く握って打つと、キャリーが137.8ヤード、トータル151.1ヤードという結果に。
はやし:お~! ナイッショ~!
兼濱:ありがとうございます! じゃあ今度は一番短く持ってみて、同じ振り感で打ってみますね。短く握る際も、指がゴルグリップからはみ出さないように気を付けてください。

短く握る際は指がグリップからはみ出さない範囲に収める
――兼濱が7番アイアンを短く握って打つと、キャリーが121.2ヤード、トータル138.6ヤードという結果に。
はやし:本当だ、距離が縮まりましたね。
兼濱:同じように振っても、グリップを握る位置でこれだけ変わるんです。先ほども言いましたが、グリップを持つ位置は自由、人それぞれなので、いろいろ試して自分がクラブを振りやすいグリップの長さを試してみるのがオススメですね。
===
グリップを握る位置による違いを学んだはやしは、兼濱に続いて自分でも違いを試してみることに。その模様は下記の動画で確認いただけます!