日本初のパブリックコース、雲仙ゴルフ場で開かれた天体観測イベントは想像以上の美しさだった――。

長崎県雲仙市にある同ゴルフ場は1913年開場。当時国内では神戸GC、横屋(神戸)、根岸(横浜)に次ぎ4番目の開場だが、現在も残るコースでは神戸GCに次ぎ2番目、パブリック、公営コースとしても日本初だった。

そんな歴史を踏まえながら、標高750メートル、街の明かりが届きにくい環境で天体観測という趣向のイベント企画を主催したのが雲仙観光局だ。

「3つの光で宇宙の神秘を体験しませんか」と提起。

まず「誕生の光」では「230万光年前の光を、天体望遠鏡で覗き見ませんか? 時空を超える感動を」。「未来の光」では「みんなで声を合わせ、シンボルツリーとレーザーを点灯。雲仙の自然と未来への願いが一つになります」と。最後の「希望の光」では「ゴルフボールが夜空を駆け巡り、流れ星に願いを込めて。自然の恵みに感謝し、心ゆくまで楽しんでください」と案内した。

11月中旬に開催され、子ども連れが多く、234名が参加。入場料金は大人(13歳以上)が2000円で12歳以下は無料だった。

「好評でしたので、次回も検討しています」(雲仙観光局)

画像: 日本初のパブリックコースである雲仙ゴルフ場

日本初のパブリックコースである雲仙ゴルフ場

最後に同ゴルフ場をプレーしたい人のためにその歴史をもう少し紹介しておこう。

雲仙はアジアに住む外国人の間で温泉リゾートとして有名だった。その外国人の間でゴルフが盛んだと知った長崎県は、ゴルフ場が県立雲仙公園の目玉になると考えた。県の意向をくんでゴルフ場造り
に奔走したのが倉場富三郎。グラバー邸で知られるトーマス・グラバーの息子だ。設計したのは英国人商社マンのB・オーレス。設計経験ゼロの素人だったが、海抜750メートルの元火口原、池ノ原の馬の放牧地に9ホールが人の手だけで造成された。

戦後は米軍に接収され、紆余曲折を経て民間運営委託され現在に至っている。

歴史の息吹を感じながらのプレーは球趣をそそること間違いないだろう。

※2024年12月17日号 週刊ゴルフダイジェスト「バック9」より

各コースの取り組み

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