【田島創志の「90切ったら試合に行こう!」】は、レギュラーツアーで優勝経験もあり、テレビ解説でもおなじみのトッププロ田島創志氏が、「競技ゴルフで結果を出すために必要なノウハウ」を伝授する競技ゴルファー養成企画です。スウィングの作り方、練習法、マネジメント……、「普段のゴルフ」と「競技ゴルフ」の違いをご紹介するものです。

「距離感」の次は、ゴルフの「不思議感」を処理する

GD 前回は「ゴルフ力アップ」について教えていただきました。ショットの調子には良い悪いがある。そういった中でコントロールショットだけは好不調の波を作ってはいけないということでしたが、アマチュアの多くは、コントロールショットと聞くと「力を抜く」、「力を抑える」というように思っている人も多いようです。

田島 私が考えるコントロールショットは、「自分の距離を作る」こと。一般的には、フルショットがあって、スリークォーターがあって、ハーフショットがあって。こうやって距離をコントロールされている方が多いと思います。50ヤード以内のショットは体だけではなく、手先の感覚が入ってくるので、ものすごく難しいんですよ。ものすごく難しいからこそ、この距離感を作らないといけない。

僕は30ヤードと45ヤードを距離感のベースにして、その距離に対してプラスマイナスどのぐらいなんだっていう感覚を養う練習をしてきました。サンドウェッジのフルショットが大体85から90ヤードなので、3つの距離感を作っておくと、「これぐらい振ったらこれぐらい飛ぶ」という感覚が養われます。そうすることで、クラブが変わった時でも、「このクラブだったらこのぐらい振ったらこれぐらい飛ぶ」ということがわかってきます。

GD 距離感の作り方って曖昧な部分があって、明確な基準があるとわかりやすいですね。

田島 基準値を出発点にして、クラブを変えてもそこからどうなるかという話です。基準値がない人は、距離感を作れません。ゴルフは距離をコントロールして、自分の狙ったところにボールを置いていくプレイスメントゲームなので、距離のコントロールができないと上手くゲームを進めることはできません。

GD スコアを競う競技ゴルフでは、絶対身につけるべきスキルになりますよね。

田島 ゴルフが上達しない人は、100ヤード以内のコントロールショットに問題があります。それはプロも一緒で、ツアープロでも上手くないなって感じる人は、それ以上上手くならない。

逆に基準値をベースにやっている人は、どんなにショットが散らかっても、絶対オーバーパーは叩かないなって感じます。競技ゴルフを始める人、競技で結果を出したい人は、基準値をベースとした距離感を身につけてもらいたいなと思います。

GD それは練習すれば可能なことですか?

田島 練習と意識ですよね。どれだけ細かい意識をそこに注げるかです。ドライバーとか、遠くに飛ばすクラブは、曲がった時のズレも大きいから、そこまで範囲を狭めるのは難しいと思いますが、100ヤード以内の距離感、コントロールショットは細かい意識で練習をしてもらいたいですね。

GD 「距離感」の次は、何を作っていくことになりますか?

田島 状況判断です。例えばピンが右に切ってある、左に切ってある。自分の持ち球が、フック系なのか、スライス系なのかで狙うところが決まってきます。自分の中で一番リスクのない狙い方を覚える必要があります。

ゴルフのスウィングは人それぞれですが、法則性があるんですよ。向いた方向に対してクラブがどういう動いているかによって、ボールに与える回転が変わります。まっすぐに対して右を向いているように感じれば振り遅れやすいし、左に向いているように感じればクラブが外から入ってきやすい特性
があって、真っすぐなショットを打つのでも、スウィングの特性によって感じ方が変わってきます。

自分ではグリーンセンターを狙って打ったつもりなのに、なんで引っかかっちゃうんだろうっていうのもあるし、自分ではちゃんと打っているつもりなのに、右にペラってしまうことがある。そういう不思議感を1個1個処理していく作業も、競技ゴルフには必要になってきます。

GD 確かにそういった不思議なことが、ゴルフでは起こります。

田島 ティーグラウンドがどこに向いているかによっても自分の真っすぐ感が変わってきます。左を向いているなと感じるのであれば、フェードは打ちやすいかもしれないけど、左を向いてドローを打とうと思ったら結構打ちづらい。

そういう打ちやすさと打ちづらさを覚えた中でどういう球筋を選択していくか、どこを狙っていくかを選択していきます。そこを学んでもらえたら成功率が高まると思います。

GD 自分の持ち球はどう判断すればいいですか? 元々のスウィングがスライス系なのにドローを無理して打とうとしている人も多いと思います。

田島 持ち球とはちょっと意味合いが変わりますけど、自分が何にも考えずに気持ちよく振ったときの打球が、その人の弾道になります。

今は「トラックマン」とかでスウィングのトレース(軌跡)を確認することができます。そのトレースって「指紋」だと思っているんですよ。人によって全然違うので、その指紋をしっかり覚えて、自分のトレースを覚える。調子のいい時、自分が無意識に打った時のトレースをしっかり覚えて、それに対してちょっと変えてみたらどういう打球が出るか。そこが持ち球を考える第一歩だと思います。

GD プロは真っすぐな球よりも、球を曲げてプレーしたほうが簡単だと聞きますが、田島プロもインテンショナルで曲げてプレーしていますか?

田島 僕は全部曲げています。フェードかドローか決めて打ちます。

GD それは練習の段階から曲げる意識でやっている?

田島 フェードとドローを同じぐらい打ちます。ショートゲームもドライバーショットでも。ただ、これは自分のゴルフのスキルを上げるための方法であって、ボールを曲げることを学ぶことはマストじゃないと思うんですよ。

打ってみて「今日はちょっと右に行くな、左に行くな」、そういった傾向を上手く組み立てていってもいいと思います。その先の段階、競技で上位を目指すのであれば、球を曲げることを覚える必要はあるとは思います。そうすると調子に左右されなくなりますから。

GD 自分のトレース(指紋)を意識している人は、そう多くないと思います。

田島 基本「ゼロパス」は理論上ないので、左パスか、右パスかが出ます。クラブ軌道を左パスにするのか、右パスにするのかだけ覚えておくだけでも、ボールコントロールは容易になります。

ただ、フェードとドローどちらか一方だと目の錯覚が起こるので、両方打てると、コースの罠に惑わされなくなります。

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