【田島創志の「90切ったら試合に行こう!」】は、レギュラーツアーで優勝経験もあり、テレビ解説でもおなじみのトッププロ田島創志氏が、「競技ゴルフで結果を出すために必要なノウハウ」を伝授する競技ゴルファー養成企画です。スウィングの作り方、練習法、マネジメント……、「普段のゴルフ」と「競技ゴルフ」の違いをご紹介するものです。

絶対に打ってはいけない所に打たないのが「競技ゴルフ」

GD ゴルフも球春到来です。早いところでは「県アマ」のエントリーが始まっている県もあります。今日は試合につきものの練習ラウンドの回り方について教えてください。試合初心者は、練習ラウンドで何をすればいいのかわからない人も多いと思います。

田島 よく言われるのが、「練習ラウンドは試合の気持ちで、試合は練習ラウンドのつもりで」みたいなことを言いますが、これってあながち嘘じゃないなと思います。アマチュアの競技では禁じられていますが、プロの試合の練ランでは、同じ所から何回も練習する人がいるんですけど、それはただ単に良い当たりを求めているだけであって、状況に対しての練習にはなっていないと思うんです。
 
プレーの流れの中で打った球でないと本当の結果は出ないし、打ち直しをして良いショットが打ててもそれは一時の気休めであって本当の自信にはならないと思うんですよ。

GD 練習ラウンドとは言え、ミスしたことは記憶に残るもの。悪いイメージを消しておきたいと思うのでは?

田島 そうかもしれませんが、打ち直しの1球はメンタルが違う。プレーの流れの中の1球ではないのでナイスショットが打てたということだと思います。

GD 練習ラウンドとはいえ1球に対して集中力が大事ということですか?

田島 そうです。僕は練ランの時でも1球しか打ちません。「この状況ちょっと立ちづらいな。やっぱりこういうミスが出たか」。そのことを覚えとけばいいだけの話で、打ち直しをして良い球が打てたからといって本番も出るかと言ったらそうじゃない。
 
ゴルフはナイスショットを組み立てるゲームじゃなくて、ミスショットを組み立てるゲームだから、「ちょっと打ちづらいな。これを嫌がったらOBになりやすいな」っていうのを事前に感じ取っておけばいいんじゃないですか。

GD 練習ラウンドとは言っても、「練習」の意味が違う。何球も打って練習するのではなく、コースと自分の感覚の不一致な部分を見つけるのが練習ラウンドで、実践的な練習が必要であれば別の時にやっておきなさいということですね。

田島 そうです。そういった練習はプライベートの時にやればいい。試合の練習ラウンドの目的は、シチュエーションに対してどんなミスが出たかを調べに行くことです。本番までに「この練習をしておこう」とテーマを持ち帰るところだと思うんですよ。

GD 練習ラウンドの時、コースで見ておくポイントはどこですか? 

田島 上り下り、高低差を見てピンがどの位置になるかはなんとなく想像がつくだろうし、「ここにピンが切ってあったら、ここに外したら寄らない」。そんな下見をしておけばいいと思います。そもそも寄らないところからの練習をしても無駄だし、ミスをしてもここに外しておけば寄せられる。警戒しなければいけない所と大丈夫な所を探して、2打目以降の攻め方をチェックしておくのが練習ラウンドだと思います。

GD 絶対打っちゃいけないとこには打っちゃいけない。

田島 それが競技ゴルフです。絶対打っちゃダメだなと思うところには、絶対に打たない。

GD そこを試合の気持ちでやっておくのが練習ラウンドの目的ということですか? コースの隅々までチェックして事細かにコースを分析しなきゃって思いがちですが。

田島 基本は「上りにつける」というのが鉄則だと思うので、普通のコースであれば下りにはつけない。上り下りをしっかり見ておくことが大事になります。上りのアプローチだったら寄せられるけど、下りだったり、意地悪なピンポジションだったら寄せられない時があるから、そこには絶対打たないみたいな。そこを見抜くことが練習ラウンドの回り方だと思います。

GD 田島プロは日大ゴルフ部出身ですが、日大の練習ラウンドとかも一緒でしたか?

田島 そうですね、変わらない。ゴルフの基本は「手前から」ですけど、グリーン周りの一番低い所を探してチェックしていましたね。 クラシックデザインだったり、近代的なデザインのコースもありますが、必ず低い所があります。それが手前なのかどうかを見ておけばいいことです。僕はスコアカードに「ここはグリーンの左は絶対ダメ」とか、「ティーショットで左は絶対ダメ」とか。そんなことを書き込んでいました。

GD どんなコースデザインでも基本的には1カ所は低いところがありますもんね。

田島 チェックするのはそれだけでいいかなと思います。歩測して正しい距離を測っておく必要もないし、自分で覚えて書き込んでおくことがすごく大事だと思います。今は距離計も使えるから距離の誤差は生じないはずなので、その場で測ればいい。
 
ただ、試合だと高低差は測れないので、練習ラウンドでは高低差機能を使ってどれぐらい高低差があるかを測っておくといいでしょうね。僕はジュニアの頃からパー3だけは測っていましたね。「ここはちょっと下がっているから5ヤードぐらい引いて計算しよう」ってやっていました。

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