初優勝から8勝を飾った竹田麗央選手は「TOTOジャパンクラシック」でも優勝し、米女子ツアーの切符を手にしました。2年連続年間女王から24年はポイントランク2位で終えた山下美夢有選手は最終予選会をトップ通過。岩井明愛・千怜姉妹も揃って上位で通過し、合わせて16勝を挙げた4選手が不在の国内女子ツアーとなります。
そうなると誰が年間女王になってもおかしくない戦国時代に突入したとも考えられます。ランキング順でいけば4位で2勝を挙げた小祝さくら、6位で3勝の桑木志帆、7位で1勝の河本結、8位で未勝利の佐久間朱莉、9位で3勝の川﨑春花選手らの争いになることは容易に予想されます。

左上から時計回りにポイントランク4位小祝さくら、6位桑木志帆、7位河本結、8位佐久間朱莉、9位川﨑春花、25年から国内復帰する稲見萌寧
小祝選手は自分のペースを崩すことなく例年通りの安定したプレーで上位で戦うこと間違いないでしょう。桑木選手は初の海外メジャー出場を経験するでしょうし、これまでの成績は勢いだけではないことを証明し真のトッププレーヤーになれるかどうかの勝負のシーズンになることでしょう。河本選手は1勝に終わりましたが、序盤に勝てれば勢いに乗って3勝や5勝を挙げる可能性は十分にあります。
佐久間選手も必ず初優勝を挙げると思っていますが、初優勝から2週連続優勝や勝ち方を覚えたら5勝する勢いで開幕戦からダッシュを決めようと意気込んでいるはずです。川﨑選手も小祝選手と同様に自分のペースを崩さずに何度も上位に顔を出すでしょう。以上のメンバーは年間女王になる可能性が等しくあると考えていますが、25年から国内女子ツアーに復帰する稲見萌寧選手も忘れてはいけません。
昨シーズンはスウィングに迷いがあった稲見選手ですが、コーチをつけなくても戦えるだけの資質は備わっています。自分を見つめ直し開幕戦に向けて着々と準備を進めているはずなので、間違いなく怖い存在になることでしょう。
昨シーズン不発だった櫻井心那選手は秋口から目澤秀憲コーチに師事し、確実に良くなった状態でオフに入りましたので25シーズンは台風の目になる可能性も大。
長いシーズンを効率良く戦う術を知っている申ジエ、鈴木愛、青木瀬令奈、藤田さいき、菊地絵理香選手といったベテラン勢はオフに体を整え、若い選手の壁となるべくそれぞれ複数回優勝も視野に入れているはずです。
初優勝が待たれる脇元華、鶴岡果恋、小林光希、小林夢果、ウー・チャイェン選手たちは、初優勝から勢いがつく可能性もありますので、それぞれの課題に向かって地道な取り組みをしていると思いますが、どんなオフを過ごしているのか興味が沸きます。

シード権獲得はならなかったがファイナルQTを突破し2年目のシーズンを迎える政田夢乃(左)と菅楓華(右)
シード圏外からファイナルQTを勝ち上がってきた選手たちを見てみると、昨シーズン惜しくもシード権を取れなかった政田夢乃、菅楓華、清本美波選手といった2年目を迎える選手に混じって、プロテスト合格組もQTを突破しています。6位で通過した永田可奈恵、14位の徳永歩、18位の入谷響、36位の吉田鈴、37位荒木優奈選手の5名は前半戦にほぼ出られることになっています。
これまでのどの選手たちも通ってきたツアーセッティングのグリーンコンディション、全国を転戦するツアー生活や新人として感じるアウェイ感を払拭し、技術のブラッシュアップとともに自分らしいプレーができるメンタル面など、経験を積みながら向上していくことでシード選手への道を歩むことでしょう。
もちろん米女子ツアー参戦組もスポットで帰国参戦することもあるでしょう。古江彩佳選手のように一時帰国でも優勝することは大いに考えられますし、特に楽しみなのは「TOTOジャパンクラシック」です。ランキング次第にはなりますが、現在参戦している畑岡奈紗、渋野日向子、笹生優花、古江彩佳、西郷真央、勝みなみ、吉田優利選手たちに加えて、今季から参戦する山下美夢有、竹田麗央、岩井明愛・千怜姉妹らが勢ぞろいすることになるからです。
今季も昨年と同じ瀬田GCで開催されますので、竹田選手の連覇だけでなく歴代優勝者に名を連ねる畑岡奈紗、古江彩佳、鈴木愛選手の活躍も期待できます。
戦国時代に突入した国内女子ツアーで年間女王に戴冠するのは誰か? 3月6日の開幕戦「ダイキンオーキッドレディス」が待ち遠しくなりました。
写真/Blue Sky Photos、大澤進二、姉崎正、岡沢裕行、有原裕晶