
JLPGAアワード表彰式の舞台に立った臼井麗香と安田祐香(撮影/岡沢裕行)
レイチェルの優勝は黄金世代14人目

25年は菅沼菜々と"アイドルデビュー"する臼井麗香。24年は始球式でも話題になった(写真提供/千葉ロッテマリーンズ)
臼井麗香は開幕4戦目のアクサレディスゴルフトーナメントin MIYAZAKIで悲願の初優勝を果たした。1998年度生まれの黄金世代の優勝は14人目だった。
臼井は初日に7アンダー65を出して2位につけると、2日目も6アンダー66をマークし、2位の山下美夢有に1打差の単独首位に浮上した。最終日が降雨によるコースコンディション不良で午前10時50分に中止が決まった瞬間、大会は36ホールの短縮競技となり、臼井の初優勝が決まった。臼井は前年優勝の山内日菜子に続き主催者推薦出場からの優勝者となった。
優勝決定後の記者会見ではプロ転向から7年目での初優勝への思いのたけを言葉にした。
「今の気持ちはすごくうれしいのが一番ですけど、まだ夢を見ているみたいです。(優勝の瞬間には)涙が出ました。(黄金世代で14人目の優勝には)次は自分が勝たなきゃいけないという焦りはありました」
そしてすぐに次なる目標に向けて目線を上げた。
「見た目がスポーツマンらしくないので、ファンの人にも2日間だからまぐれだろうと思われるかもしれないけど、そう思われないように、次の試合から2勝目が1勝目だと思ってやっていきたいなと思います」
ニックネームは「レイチェル」。プライベートでは既に自分のアパレルブランドを立ち上げているが、25年は2月には菅沼菜々と"アイドルデビュー"するプランを発表するなどコース外の活動の幅も広がりそうだ。
安田の初優勝は笑顔と涙

安田祐香はミヤギTV杯ダンロップ女子オープンで涙の初優勝(撮影/岡沢裕行)
人気女子プロの安田祐香も昨季ミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープンで初優勝を達成した。
安田は初日に7アンダー65をマークし、2位に1打差の単独首位(初日が日没サスペンデッドになったため当日中は暫定首位)に立った。2日目は降雨によるコースコンディション不良で中止になり、迎えた最終日もコース状態が不良のため、セカンドカットを経て競技は54ホールから27ホールに短縮された。
最終日はセカンドカット後に残った37人でイン9ホールを戦い、安田は2アンダーで回り通算9アンダーでVゴールに飛び込んだ。プロ転向後は腰痛など体調不良で少し遠回りはしたが、のどから手が出るほど欲しかった初優勝はプロ5年目、当時23歳での達成だった。
悲願達成後は笑顔で感慨に浸った。
「終わってみれば一瞬ですけど、優勝スピーチとか何を言えばいいか分からなくてパニックです」
アマチュア時代は2000年度生まれのプラチナ世代の旗手的存在。同世代の古江彩佳、西村優菜らに先を越された格好だったが、安田なりの意地と誇りも口にした。
「自分的には1年ごとに成長を感じていますし(優勝まで)長いとは感じなかったです」
臼井も安田も昨年12月のJLPGA年間表彰式ではあでやかなドレス姿が注目を浴びた。臼井はピンクベージュのマーメイドドレスに身を包み「(アワードは)舞台なのでビジュがキラキラしたドレスを選びました」。安田は高級ブランド・フェンディのロゴ入りドレス姿で「とても素敵なステージに立つことができてうれしいです」とコメントした。
2024年に初優勝を果たした選手は臼井、安田、阿部未悠、竹田麗央、天本ハルカ、リ・ヒョソン、桑木志帆、佐藤心結の8人。25年シーズンは誰が"初優勝ドラマ"の主人公を演じるのか、今から開幕が待ち遠しい。
写真/岡沢裕行、姉崎正、大澤進二、有原裕晶