
写真はPGMの田中耕太郎社長(左)、平和の嶺井勝也社長(中央)、アコーディア・ゴルフの三好康之氏次期社長(右)
アコーディアは米投資ファンドの「PJCインベストメンツ」が所有していて、平和はそこから全株式を取得するのだという。アコーディアは全国で173カ所のコースを保有・運営している。
PGMが運営するのは148カ所で、合計すると321カ所となり、これは保有するコースの数では世界最多になる。ただし、買収後も両社は統合せずに平和の子会社として継続するという。
買収に至った理由をゴルフ場経営コンサルタントの菊地英樹氏は次のように話す。
「平和のベースにあるパチンコ業界の景気の落ち込みは惨憺たるものがあります。もしゴルフ業界へ進出していなかったら、立ち行かなくなっていたかもしれません。その意味では先見の明があったのだと思います。営業的にはなんといってもスケールメリットを得られるということでしょう。エリアによってはゴルフ場の大半を占めるとなれば、その地域でのプレーフィなどでマーケットをリードできますからね」
平和の2024年3月期決算の営業利益を見ると234億円となっていて、うち遊技機事業(パチンコ、パチスロ機)が69億100万円(前期比54.5%減)、ゴルフ事業は192億5000万円(同32%増)。
これらの数字から、菊地氏が指摘するように、パチンコ業界の景気がガタ落ちで、ますますゴルフ事業を拡大せざるを得なかった事情が見えてくる。平和が株式を取得する買収金額は有利子負債を含めて5100億円。費用は全額を銀行から借り入れるという。
「5100億円もの借入金の返済はいや応なくやってきます。対応し切れるのだろうかと心配になります」(前出・菊地氏)。
勢力図が変わった日本のゴルフ場業界、行く末を注視したい。
※週刊ゴルフダイジェスト2025年1月21日号「バック9」より