
わきゅうがスウィング作りで大切にしている3つのポイントのひとつ、「腕と体を同調させる」。腰から腰の振り幅で連続素振りをするのがおススメと坂詰プロ
O編 今回は、わきゅうがスウィング作りで大切にしている3つのポイントのうちの最後、「腕と体を同調させる」について、復習も兼ねて聞いていこうかな。
坂詰 まず、ボクの理想は、両腕と手を体の正面に置いたまま、体の回旋だけで球をとらえるスウィングなんです。だって、アドレスしたときの骨盤の位置を変えずにスウィングして、手と腕が体の正面にあったら、必ず球に当たるわけですからね。もちろん、手や腕の動きを完全に抑えてスウィングするのはプロでも難しいので、読者のみなさんは、多少手を使ったっていいんです。
ただ、ショットの精度を上げたいのであれば、そこに近づこうとすることは、どんなレベルの人でも大切だと思うんですよ。
O編 そのためには、どんな練習をすればいいの?
坂詰 まずは、クラブを持たないシャドースウィングですよね。両腕と手を体の正面にキープしたままシャドーを繰り返すんです。基本的に、結構手を使う人でも、クラブを持たない素振りだと、そういう動きができやすいですから。
O編 手と腕を体の正面にキープすると、初めのうちはものすごくコンパクトに感じるよね。
坂詰 それはプロも同じです。みんな、「物足りない」とか「これじゃ飛ばない」って言います。でも、実は、それがちゃんとできれば、体のエネルギーで打てるから、飛距離も落ちたりしないんですよ。
O編 あとはどんな練習がおすすめなの?

常に、手を正面に置いたまま、シャドースウィングを繰り返す
坂詰 腰から腰の振り幅をできるだけ速く連続で振るのがいいですね。手と腕が体の正面から外れたら連続で振れないし、テンポが一定しないので、自然にいい動きになりやすいんです。それを1日に30 秒を3回やったら、1年で見違えると思いますよ。
O編 素振りでできるようになっても、実際に球を打とうとするとできないってこと、あるよね?
坂詰 そうなんです。手でクラブを上げて下ろしている人が、手と体を同調させようとすると、違和感が強くて、動けなくなっちゃうことが多いんですよ。
O編 そういう場合はどうしたらいいの?
坂詰 まずは、できる限りクラブを持つ力を抜くんです。限りなくグリッププレッシャーをゼロにする。そうすると、手でクラブを動かせなくなるので、自然に体を使って動き出すようになります。それで始動さえ決まってしまえば(体で動かすことができたら)、その後もいい動きがしやすくなるはずです。
O編 最初に手を使って動かしたら、手で戻すしかないもんね。
坂詰 そういうことなんです。手の使い過ぎというと、インパクトゾーンのことばかり言われるんですが、手を使う人って、始動で使っちゃってるんです。だから、手で当てにいくしかなくなるんです。覚えてほしいのは、強く握れば握るほど、クラブを手で動かしやすいってことです。握らなければ手で動かさなくなるんですよ。
O編 強く握らなくなれば、手首や腕も自然な動きをしそうだね。
坂詰 そうですね。手首も自然にヒンジ(右手首が甲側に折れる動き)しやすくなるし、腕も自然にローテーションしやすくなると思います。それができれば、クラブの運動量が大きくなるので、腕と手を体の正面に保っていても、スウィングが小さくなりすぎることはないはずです。
O編 しかし、ここ3回にわたって、わきゅうが大事にしているポイントを聞いてきたけど、わきゅうが求めるスウィングって、ホントにシンプルだよね。手と腕を体の正面に保ったまま、アドレスした位置で体を回すだけ。あとは、フェースの使い方を覚えればいいんでしょ?
坂詰 そうですね。プロにも、ほとんどそればっかり言ってます。だって、たった2秒のなかで、そんなにたくさんのことができるわけないじゃないですか。まして、ダウンスウィングで手や腕をこう使えとか言われても無理ですよ。スウィングするときはなるべく考えることが少ないほうがいいんです。
ボクも、体の使い方を言うことはあります。でも、その場合でも、なるべく考えずにその動きができる方法とか、自然にそういう動きになるような方法を教えるようにしています。そうしないと、そのスウィングは実戦で使えなくなっちゃいますからね。
O編 プロコーチは、プロが稼げるようにするのがお仕事だもんね。
坂詰 はい。これからも、そこは外さないようにしていきたいなぁと思ってるんですよ。
PHOTO/Takanori Miki
THANKSGMG八王子ゴルフ場
※週刊ゴルフダイジェスト2025年1月21日「ひょっこりわきゅう。」より