みんなのゴルフダイジェストのYouTubeでは、プロゴルファーの癸生川喜弘と小島慶太の二人による“ガチ”がコンセプトのシリーズ試打企画「みんゴルガチギアトラック」を公開中。今回は、テーラーメイド の「バーナー ミニドライバー カッパー」のミスヒットした時の寛容性に焦点を当てた試打を敢行。304ccの小さなヘッドに驚きの性能を見る結果に!
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ドライバーの特徴をおさらい
今回の試打クラブ、テーラーメイド「バーナー ミニドライバー カッパー」は、2019年に出たテーラーメイド 「オリジナルワン ミニドライバー」を皮切りに、「300ミニ」、「バーナーミニ」という流れを汲むテーラーメイドのミニドライバーの4作目のモデルだ。

ロフトは11.5度/13.5度が用意されている「バーナー ミニドライバー カッパー」
「バーナー ミニドライバー カッパー」はレトロチックなヘッドにさまざまな高機能が搭載されているが、中でも、試打中に二人のプロが驚きの声を挙げたのが「ZATECH チタンツイストフェース」。メーカーの発表を見ると、「ソールに搭載した『貫通型スピードポケット』とフェースに搭載している『ツイストフェース』の相乗効果でミスを軽減。優れた飛距離性能と寛容性を実現」とあるが、その”看板に偽りなし“の結果が出た。
ミスヒットの寛容性の検証をしたクラブのスペックは、「バーナー ミニドライバー カッパー」のロフト11.5度。ヘッド体積は304cc。シャフトはUST Mamiya社製 「プロフォース65 M40X(FlexS・43.5インチ)」。使用ボール「タイトリスト プロV1」。
HS45m/sのスピード帯で寛容性テストを開始!
「色合いとロゴがカッコいいね。ドライバーと思うと小さいし、スプーンと思うと大きいしという印象です」という癸生川プロ。
センターで打つ
打球は中弾道で、1.4度右に打ち出して、0.4度右に傾きながら6.5ヤード右に着弾したストレートドロー。
<トラックマン4のデータ>
クラブスピード●44.6m/s
ボール初速●66.2m/s
打ち出し角●10.9度
スピン量●2847rpm
降下角●35.6度
キャリー●230.7Y
飛距離●254.4Y
打ち出し方向●1.4度右
スピンアクシス●0.4度左
SIDE●6.5Y右
<GCクワッドのデータ>
Hインパクト●6ミリトウ
Vインパクト●4ミリ低

HS45m/sでセンターヒット(上下左右9ミリ以下)したときの試打データ。上段がトラックマン4、下段がGCクワッド
癸生川プロの試打後の感想
「いやぁ、良い球。今の平均的な長さの(45~46インチ)ドライバーで11.5度なら、もっと球が上がると思うんだけど、これは短いからだけど、球の高さがイイ感じなんだよね。球の飛び方は凄くいい感じです」
小島プロのデータ分析
「データを見ると、オーソドックスなドライバーのフライト条件です。スピンが減るわけでもなく、非常にシンプルなドライバーの数値です。ドライバーが苦手な人には良いんだと思います。ただボールスピードとかトータルの飛距離という部分では当然、最新の460ccモデルには勝てないですけど。ただスプーンより飛ぶことは間違いないです」
HS45m/sで芯で打った試打結果を見た小島プロは、ごく平凡なドライバーという印象。もちろん飛距離面では最新モデルのドライバーに及ばないので、ティーショットで飛距離などの打ち分けが必要なプロにはいいだろうが、一般の人で今の長く大きいドライバーを苦手にしている人限定で使えるかなという言い回しだ。しかしそれが、次のトウヒットの試打結果を見て大きく変わることになる。
トウ寄りで打つ
打球は中弾道で、1.47度右に打ち出して、10.3度左に傾き、0.0ヤードに着弾したストレートドロー。
<トラックマン4のデータ>
クラブスピード●44.7m/s
ボール初速●65.5m/s
打ち出し角●11.6度
スピン量●2870rpm
降下角●39.8度
キャリー●226.7Y
飛距離●246.2Y
打ち出し方向●1.47度右
スピンアクシス●10.3度左
SIDE●0.0Y
<GCクワッドのデータ>
Hインパクト●17ミリトウ
Vインパクト●6ミリ低

HS45m/sでトウヒット(15ミリ以上)したときの試打データ。上段がトラックマン4、下段がGCクワッド
癸生川プロの試打後の感想
「いい飛びだと思います。トウで当たってもそんなに左に来ないですし」
小島プロのデータ分析
「弾道見たらトウに15ミリくらい外れたかなと思ったけど、実際は17ミリです。それでちょっと右に出てギア効果でドローで戻った弾道ですから。これは『ツイストフェース』の効果なのか、う~ん、そんなに強いんだ!それはプロが選びますよね」
17ミリトウでヒットしたにも関わらず、綺麗なドローで着弾もほぼセンターという結果に驚く小島プロ。ヒールヒットでもこの304ccヘッドの寛容性の高さに驚かされることになる。
ヒール寄りで打つ
打球は中弾道で、15.3度左に打ち出して、13.9度左に傾き、3.4ヤードに右に着弾した強めのフェードボール。
<トラックマン4のデータ>
クラブスピード●44.6m/s
ボール初速●62.7m/s
打ち出し角●11.8度
スピン量●2861rpm
降下角●34.6度
キャリー●215.9Y
飛距離●239.7Y
打ち出し方向●5.3度左
スピンアクシス●13.9度右
SIDE●3.4Y右
<GCクワッドのデータ>
Hインパクト●23ミリヒール
Vインパクト●3ミリ高

HS45m/sでヒールヒット(15ミリ以上)したときの試打データ。上段がトラックマン4、下段がGCクワッド
癸生川プロの試打後の感想
「なかなかのヒールだと思うんですが、打感は良くないです。ただ気持ち悪いってほどではない。もちろんスライスはしているけど、でもそんなに曲がっていないですね」
小島プロによる試打データ比較
「23ミリですから、なかなかのヒールショットです。そこに当たって(物凄いスライスをしている)アマチュアをいっぱい見てますけど。あの曲がり方で収まっているのは、いや、凄い。十分ですよ」
3打点(センター、トウ、ヒール)の試打結果を小島プロが比較・分析
■ボールスピード
クラブスピードはほぼ同じ、ボールスピードは芯で当たったのが66.2m/s、トウに17ミリズレたのが65.5m/sですから、わずか0.7m/sのロスです。このヘッドの大きさ形状で17ミリのズレでロスが0.7m/sですから凄いです。ヒールは23ミリズレたので62.7m/sまで落ちますけど、それにしても3.5m/sのロスですから全然悪くない。
■打ち出し角とスピン量
打ち出し角は芯は10.9度、トウは11.6度、ヒールは11.8度だから、最大と最小で1度も違わない。スピン量は芯が2847rpm、トウが2870rpm、ヒールが2861rpmなので、これも最大のトウと最小の芯で1分間で23回転しか違わない、凄いですよね。
■トータルの飛距離
芯で254.4ヤード、トウが246.2ヤード、ヒールが239.7ヤードですから、これもあれだけ芯を外してこれしか違わないんだと言う印象です。現代のドライバーは、体積460ccの大きなヘッドで慣性モーメントが1万g・cm2という数値のドライバーを各社出してきている中で、このヘッドは304ccですからね。それでこれだけ芯からズレても、飛距離差がこれだけで収まるのは、これもテクノロジーの効果なんだと思います。多くの選手がこれを使う理由がわかりますね。PGAツアーだとスプーンの代わりに使う選手が多いんでしょうけど、下からも十分打てるし、使えると思います。

HS45m/sで打点をずらした試打の試打データ
総評

試打を担当した癸生川プロ(左)、データ分析を担当した小島プロ(右)
癸生川プロ まずはこのデザイン、昔ながらのテーラメイドのロゴ、あと色合い。グリップもそうですし、単純にカッコイイですよね。打っていても良かったですし、自分の用途に合わせて選んでいただけるといいなと思いますね。
小島プロ この11.5度のロフトは、今の大型ヘッドがどうしても扱いにくい人が使うのは良いのかなと思います。ただ、大型ヘッドを使える余地がある限りは、そちらの方が飛ぶことは間違いないと思うので、あくまで、どうしても合わなくてゴルフにならないよという人がいたら、この11.5度を試してみたらいいのかなと思います。
みんなのゴルフダイジェストYouTube・みんゴル試打班「ガチギアトラック」では、このテーラーメイド「バーナー ミニドライバー カッパー」のロフト11.5度と13.5度のヘッドスピード別の試打をやっています。ドライバーとしての適性だけでなく、スプーンとしての適性スピードや弾道分析も行っているので、そちらも視聴して見てください。
▶テーラーメイド『バーナー ミニドライバー カッパー』の試打動画を見る