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試打クラブのロフト角はすべて10.5度。キャロウェイは『ELYTE♦♦♦(トリプルダイヤ)× TENSEI GREEN 60 for Callaway(Flex S 45.5インチ)』。テーラーメイドは『Qi 35 LS × Diamana Black TM60(Flex S 45.5インチ)』。ピンは『G440 LST × ALTA J CB BLUE(Flex S 46インチ)』。使用ボールはいつもどおり、タイトリスト『プロV1』。
各メーカーのセールスポイントをおさらい
キャロウェイ『ELYTEシリーズ』

ELYTEシリーズ。左から『ELYTE』『ELYTE X』『ELYTE MAX FAST』『ELYTE ♦♦♦』(撮影/有原裕晶)
AIの設計をさらに進め、弾道補正の“コントロールポイント”が前作『PARADYM Ai SMOKE MAX』の10倍に増加。これによりスピードと寛容性の両立を実現し、飛びは傑出した“エリート”領域へ。
テーラーメイド『Qi35シリーズ』

Qi35シリーズ。左から『Qi35』『Qi35 MAX』『Qi35 MAX LITE』『Qi35 LS』(撮影/有原裕晶)
飛びの3大要素「ボール初速」、「打ち出し角」、「スピン量」に、「より高い寛容性」を加えることで、前作(『Qi10』)を凌駕する“飛距離”と“やさしさ”で、あらゆるゴルファーのパフォーマンスを解放する。
ピン『G440シリーズ』

G440シリーズ。左から『G440 MAX』『G440 SFT』『G440 LST』(撮影/有原裕晶)
これまでの大慣性モーメント&深低重心というコンセプトから、“飛び重心”という低重心でフェースセンターにフェース面上の重心位置(いわゆる“芯”)が来るように設計を見直し、かつてない飛びを実現した。
早速、打ち比べ開始!
癸生川プロが感じた各メーカーの印象は「『Qi35 LS』は洋ナシ型で、『ELYET トリプルダイヤ』は後ろに幅広くて、『G440 LST』がさらに長くてシャローヘッドに見えます」とヘッド形状について言及した。
『ELYTEトリプルダイヤ』をHS43~44m/sで試打
中弾道で1.0度左に出てから8.9度右に傾き、11.6ヤード右に着弾したフェードボール。

「このアゲンストの中、めくれないで行ってくれるから、球がすごく強い」
【トラックマン4のデータ】
クラブスピード●43.5m/s
ボール初速●65.3m/s
打ち出し角●10.9度
スピン量●2484rpm
降下角●37.5度
キャリー●224.6Y
飛距離●245.8Y
打ち出し方向●1.0度左
スピンアクシス●8.9度右
SIDE●11.6Y右
【GCクワッドのデータ】
Hインパクト●5ミリヒール
Vインパクト●2ミリ低
試打した癸生川プロは「このアゲンストの中、めくれないで行ってくれるから、球がすごく強い。最後に右に行ったのは風の影響があると思う。つかまらないという感じはないです」とコメント。
『Qi35 LS』を43~44m/sで試打
低弾道で0.2度左に出てから2.0度左に傾き、2.7ヤード左に着弾したストレートボール。

「風(アゲンスト)が強い中でも球は強いな」と癸生川プロ。
【トラックマン4のデータ】
クラブスピード●43.4m/s
ボール初速●64.9m/s
打ち出し角●10.2度
スピン量●2030rpm
降下角●31.8度
キャリー●207.4Y
飛距離●235.9Y
打ち出し方向●0.2度左
スピンアクシス●2.0度左
SIDE●2.7Y左
【GCクワッドのデータ】
Hインパクト●0ミリトウ
Vインパクト●0ミリ高
試打した癸生川プロは「風(アゲンスト)が強い中でも球は強い。低く出たんだけど、もう少し当たり方で上がるなっていう印象がある。いまのデータは逆だけど、トリプルダイヤよりQi35 LSのほうが球が上がるような気がする」という印象。
『G440 LST』を43~44m/sで試打
中弾道で1.4度左に出てから10.8度右に傾き、13.7ヤード右に着弾したストレートフェード。

【トラックマン4のデータ】
クラブスピード●43.8m/s
ボール初速●64.9m/s
打ち出し角●10.6度
スピン量●2886rpm
降下角●38.3度
キャリー●222.2Y
飛距離●242.2Y
打ち出し方向●1.4度左
スピンアクシス●10.8度右
SIDE●13.7Y右
【GCクワッドのデータ】
Hインパクト●9ミリヒール
Vインパクト●2ミリ低
試打をした癸生川プロは「ちょっと逃げちゃったけど、これも強いよ。ちょっとスピンは入るけど、それはシャフトの長さ(46インチ)もあってしなり方が大きくなって、フェースが上を向くのを感じたから、そのぶん、増えたと思う」。
試打データを比較
トラックマンによるデータを基に、小島プロが3本の特性を解説する。
「それぞれの打点のズレ方を考慮すると、ボールスピードと打ち出しの高さは、3つはほとんど一緒です。違いが出たのはスピン量です。スピン量は打点によって変わるので、その影響の度合いを見ていきます。
『トリプルダイヤ』は5ミリヒールで2ミリ下ですから、影響は7ミリ。『Qi35 LS』は真ん中ですから影響なし。『G440 LST』は9ミリヒールで2ミリ下ですから影響11ミリとします。
それを考慮すると、『Qi35 LS』が2000rpmとした時に 『トリプルダイヤ』は2250rpm、『G440 LST』は2550rpmくらいのスピン量の数値になると思います」

「シャフトの長さ、風の影響も考慮すると、データはかなり近い数値になっていくと思います」小島プロ
「これにシャフトの長さの違い(ピンは0.5インチ長い)も考慮にいれるともっとその差は縮まるんじゃないかなと思います。球の高さを表す落下の角度も打点のズレを差し引くと差は縮まるので、キャリーとトータルの飛距離はかわります。これに風の影響を排除した状態で比べたら、この3つのデータ数値は、ビックリするくらい近くなると思います」
結論

みんゴルS子 それぞれどんなゴルファーに合うんですか?
癸生川 ロースピンモデルは、ある程度、クラブがちゃんと振れてヘッドスピードを出せる人じゃないと難しい。シャフトを替えるにしてもスピードが足りないと球がドロップしてしまうので、今回試打をした、43m/s前後くらいは最低あったほうが、これらのクラブの特性は発揮できるんじゃないかなと思います。
みんなのゴルフダイジェストYouTube「みんゴル試打班ガチギアトラック」ではキャロウェイ『ELYTE♦♦♦(トリプルダイヤ)』、テーラーメイド『Qi35 LS』、ピン『G440 LST』と、いま話題の3つのロースピンモデルの打ち比べと結果検証をしているので、詳しく知りたいという人は、そちらもぜひご視聴を。
THANKS/アコーディア・ゴルフ 技術研究所