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今季、キャロウェイが投入したドライバーの『ELYTE』シリーズは、新たにAIの設計を微細な部分まで製品へ反映したAi 10x FACEにより、弾道を補正するコントロールポイントが前作『パラダイム Ai スモーク』の10倍に増加。軽量モデルの『ELYTE MAX FAST』は、アジア人のスウィングデータのみをAIにインプットしたことで、日本人ゴルファーのスウィング特性に、よりフィットしたモデルに仕上がっている。また、軽量ヘッドでキャロウェイ初のアジャスタブルホーゼルが初めて装備されたことも注目ポイント。
『ELYTE』のSシャフト装着モデルのクラブ重量は306グラムだが、同じSシャフトでも軽量モデルの『ELYTE MAX FAST』は273グラム。グリップ15グラム、シャフト8.5ブラム、ヘッド9.5グラムでトータル33グラムの軽量化を図っている。

試打したキャロウェイ『ELYTE MAX FAST(10.5度)』×純正シャフトUSTマミヤ『LIN-Q GREEN40 for Callaway(Flex S)』
試打クラブのスペックは『ELYTE MAX FAST(10.5度)』、シャフトは純正のUSTマミヤ『LIN-Q GREEN40 for Callway(Flex S)』でクラブ重量は273グラム、クラブ長は45.75インチ。試打で用いるボールはタイトリスト『プロV1』。
癸生川の見た目の印象は「大き過ぎず、フェースの向きも被り過ぎず、開き過ぎずで、オーソドックス」という感じ。
では試打開始!
HS42m/s前後でセンターヒット
0.3度左に打ち出してから、弾道は2.4度左に傾き、1.9ヤード左に着弾した中・高断道のストレート系。
【トラックマン4のデータ】
クラブスピード●42.1m/s
ボール初速●62.2m/s
打ち出し角●13.4度
スピン量●2822rpm
降下角●39.4度
キャリー●223.3Y
飛距離●242.8Y
打ち出し方向●0.3度左
スピンアクシス●2.4度左
SIDE●1.9Y左
【GCクワッドのデータ】
Hインパクト●2ミリトウ
Vインパクト●0ミリ

HS42m/s前後でセンターヒットしたときのトラックマン4データ(上)とGCクワッドの打点(下)
癸生川プロの打感と弾道を見ての感想
「打感はイイね。硬くないけど、でも弾く感じはちょっとあるかもしれない。弾いてロースピンでちょっと強めの弾道がいい感じ。最後にちょっと球が伸びたね。このスピード帯で打ってシャフトがダウンスウィングでグニョンとしなる感じがない。スピン量も多くはないみたいなので、このスピードで打てるクラブなのかなと思う」
小島プロのデータ分析
「軽いヘッドはスピンが増えるイメージがあるのですが、データを見るとクラブスピード42m/sで、ほぼ真ん中に当たって、それでスピン量が2822rpmですから、これは少ないです。純正のSシャフトで42m/sで打っても充分に機能するモデルだなと思います」
HS42m/s前後でトウヒット
3.1度右に打ち出してから、弾道は14.7度左に傾き、8.8ヤード左に着弾した中断道のドローボール。
【トラックマン4のデータ】
クラブスピード●42.3m/s
ボール初速●61.8m/s
打ち出し角●11.8度
スピン量●2952rpm
降下角●36.1度
キャリー●213.1Y
飛距離●235.3Y
打ち出し方向●3.1度右
スピンアクシス●14.7度左
SIDE●8.8Y左
【GCクワッドのデータ】
Hインパクト●22ミリトウ
Vインパクト●7ミリ低

HS42m/s前後でトウヒットしたときのトラックマン4データ(上)とGCクワッドの打点(下)
癸生川プロの試打後の感想
「感触は変わりますね、ちょっと硬く感じます。ヘッドがもっていかれる感じは少ないですけど、(球が)どこに行っちゃうんだろうという感じはあります。弾道はフェアウェイの幅には納まりそうだけど、『MAX FAST』ならもうちょっと寛容性があってもいいかなと思います」
HS42m/s前後でヒールヒット
7.3度左に打ち出してから、弾道は7.4度右に傾き、14.0ヤード左に着弾した中・高弾道のフェードボール。
【トラックマン4のデータ】
クラブスピード●41.8m/s
ボール初速●60.4m/s
打ち出し角●13.6度
スピン量●3379rpm
降下角●39.9度
キャリー●210.2Y
飛距離●228.5Y
打ち出し方向●7.3度左
スピンアクシス●7.4度右
SIDE●14.0Y左
【GCクワッドのデータ】
Hインパクト●23ミリトウ
Vインパクト●0ミリ高

HS42m/s前後でヒールヒットしたときのトラックマン4データ(上)とGCクワッドの打点(下)
癸生川プロの試打後の感想
「トウより感触は悪くない。弾道はフェードですが、左に出て戻るのがそんなに強い感じはない。ギア効果も多少感じるくらいです」
センター、トウ、ヒールで当たったときのデータを小島プロが比較・分析
トウに22ミリ、ヒールに23ミリズレて、ボールスピードがトウで0.4m/s、フェードで1.8m/sしか落ちないのは、フェース面の補正機能(Ai 10x FACE)が優秀と言っていいと思います。
打点はセンターとヒールが上下が0ミリで、トウは下に7ミリに当たっています。打点が下に当たったらスピン量は増えるはずですが、7ミリ下に当たったトウヒットではスピンが増える割合が少ない。ヒールに関しては、スピン量は600rpmくらい増える感じですが、元々芯に当たった時のスピン量が2822rpmで収まっているから、これに600rpm加わっても3400rpmですので、オフセンターヒットでもスピン量はコントロールされていると思います。
トータルの飛距離はトウが7ヤード、ヒールが14ヤード、センターヒットより落ちていますが、これも打点ズレに割には少ないと思います。方向もそんなに曲がっていないので充分、寛容性の高さを証明できるていると思います。
結論

試打を担当した癸生川喜弘プロ(左)とデータ分析を担当した小島慶太プロ(右)
今回の試打では、キャロウェイ『ELYTE』シリーズの軽量モデル『ELYTE MAX FAST』ドライバーのオフセンターヒット時の寛容性などをチェックしたが、二人のプロはどういう印象をもったのか。
癸生川は「軽量モデルは振りやすく扱いやすいので、ノーマルヘッドから替えようという人には違和感なく乗り換えやすいクラブと思います」。
小島プロは「従来の軽量モデルはスピン量が増えてしまうものが多いんですけど、スピン量に関しては適正量に収まるようにコントロールされていると思いました。機能としてはオフセンターヒットした時の寛容性もありますので、今まで軽量モデルを打ってこなかった人もトライしてもいいクラブだと思います」とコメント。
みんなのゴルフダイジェストYouTube「みんゴル試打班ガチギアトラック」では、最新の軽量ドライバーのキャロウェイ『ELYTE MAX FAST』のオフセンターヒット検証の外、最適クラブスピードの割り出しなども行っているので、より詳しく知りたいという人は、そちらもぜひご視聴を。
THANKS/アコーディア・ゴルフ 技術研究所