”どこを狙うのか?” それがゴルフのスタート地点。週刊ゴルフダイジェスト1月28日号では「狙い」について改めて深掘りしている。「みんゴル」では2回に分けて紹介しよう。【2回中1回目】

解説/北野正之プロ
女子プロやアマチュアの指導経験が豊富。伸び悩むゴルファーへ「気づき」の指導を得意とし、スウィング理論、メンタル、マネジメントに精通。茨城・サザンヤードCC でレッスンを行う
「ゴルフは狙い(ターゲット)がなくては始まりません。これはどんなショットでも変わりません」 そう語るのは、週刊ゴルフダイジェストのレッスンでおなじみ、北野正之プロだ。
「右にも左にも曲がるから狙ったところになんて打てませんよ」
そう答えるアマチュアは多いだろう。しかし、北野プロは、
「狙って打つのがゴルフですから、それができる、できないは関係ありません。そもそもあの辺りでいい、という狙い方は、漠然としていると思いませんか? 技術レベルの低さやラウンド経験の少なさによっては、どこを狙えばいいかわからないアマチュアもいるでしょう。
ですが、プロや上級者は右サイドの2本の木の間とか、カート道の3ヤード左とか、狙いが明確です。この狙い方は、誰もが最初からできるわけではありません。狙い続けた結果、得られるものなんです。狙うという意識はとても繊細であって、曖昧で済ませられるものではないんですよ」

ゴルフはターゲットありき
ゴルフはボールを飛ばすスポーツではない。ボールを運ぶゲームだ。その前提にあるのが「狙い」
となるが、この「狙う」という行為には、ゴルフにとって大切な要素が含まれていると北野プロ。
「どこに打つのか? その狙いがすべての始まりになります。そこから距離が決まり、球筋が決まり、スウィングが決まるのです。つまりターゲットがなくては、球筋もスウィングもイメージできないということです。スライスなのか、フックなのか、高い球なのか、低い球なのか、それによってセットアップ(アドレス)もスウィングも変わるわけです。アマチュアは狙いが、圧倒的に甘すぎます。
だから、想定外のことばかり起こるのです。ティーショットで奇声を上げるアマチュアは多いですよね。それはどこを狙い、どんな球を打つかが、決まっていないからです。狙うというのは、想定内に収めることにもつながります。この想定内って実はすごく大事なことなんです。グリーンに行ったらボールは乗らず、花道にあった……。これが想定内であることが、コースマネジメントの始まりになるのです」

「フェアウェイにあればいい。曲がらなければいい。これでは狙っていることになりません。その結果、想定外のミスが連発し、やがて狙わなくなってしまうのがアマチュアの典型なんです」
狙うことでスウィングが決まり、覚悟が決まる。集中力が高まれば、ショットの精度やスコアは間違いなく良くなるという。
「狙うのはラウンドだけでなく、練習でも同じです。常に狙い続けることが、ゴルフ上達において最
速の近道になるのです」
「狙い」が何よりも大切な5つの理由
①狙いを決める
↓
②距離が決まる
↓
③球筋が決まる
↓
④スウィングが決まる
↓
⑤覚悟が決まる
↓
狙いがあるからショットの精度が上がりスコアも良くなる
「どこを狙うか? そこからゴルフは始まります。ターゲットと球筋が決まらなければ、スウィングも決まらないからです。狙うという意識があれば、ショットもスコアも確実にレベルアップできます」(北野プロ・以下同)
後編では「どうすれば狙えるようになるのか」についてお伝えしよう。
PHOTO/Yasuo Masuda
THANKS/サザンヤードCC
※週刊ゴルフダイジェスト1月28日号「できなくてもいい狙い続けよう!」より一部抜粋