100切りを目指すレベルまで成長したゴルファーはコースマネジメントについてある程度考える段階だと言える。ではマネジメントの第一歩としてまず意識したいことはなんなのか。「覚えておきたいことはいくつかありますが、一番意識してほしいのはグリーンの狙い方です」と後藤は言う。
「グリーンを狙う際に『どこを狙いどころにするのか』は考えておきたいですね。具体的には、ピンを中心にグリーンを十字切るように四分割した際に一番広いエリアを狙うのが重要です」(後藤、以下同)
例えばイラストAのようにグリーンの左手前側にピンが切られていたとしたら、一番広いエリアは右上の斜線が入ったエリアとなる。「基本的には、もっとも広いエリアの中心を狙いどころにしましょう」と後藤は言う。
「グリーンを狙うショットの第一目標は乗せることです。イラストAの例で言えば、ピンの位置はグリーン左手前側。グリーンエッジが近いため、もしピンを狙って手前側に外してしまうリスクがありますよね。ピンの位置を考慮しつつより広いエリアを狙ったほうが乗る確率も高くなりますし、パットも含めて打数を減らせる可能性が高くなります」
これが狙いどころを決める際の基本的な考え方だが、実際のラウンドでは加えてバンカーや池、ラフなどの避けるべき障害物のことも考慮する必要がある。
「その場合、グリーン周りの状況を見て、狙いどころを『四分割した際のもっとも広いエリア』の中でさらに調整していきましょう。例えばイラストAのようにピン位置が左手前で、その手前にバンカーがあったとしたら、中心よりも少し奥や右にズラす……といった感じです」
そして何より重要なのは、グリーンの狙いどころを決める方法そのものではなく「そこまで考えが回っているかということです」と続ける。
「今回紹介した方法が最適解なのか、その通りに目標を決めて狙い通りに打てるかどうかはそこまで重要ではありません。よくレッスンで『基本はグリーンセンター狙い』なんて聞きますし、それも間違いじゃないと思います。もしピンがセンターに切られていたのなら、そのままセンター狙いで全然いいんです。もっとも大切なのは、漠然とショットを打つのではなく、きちんとグリーン周りの状況を把握したうえで狙っているかどうか。一番言いたいのはそこで『ちゃんと考えて打ってる?』っていうところなんです」
ピンを中心に十字にグリーンを四分割する……この方法を実践するなら、自然とグリーンの形状やピンの位置、グリーン周りの状況を確認しているはず。つまりコースマップをしっかり見て、ピン位置からの逆算でショットのことを考えているというわけ。これはグリーンオンを狙うショットに限らず、マネジメントを考えるうえでの基礎とも言える部分だ。
「『バンカーがここにあるから、じゃあ狙うのはこの辺り』『ピンがここなら、一番広いこのエリアを狙っていこう』という思考ができていることが大切です。こういう風に考えられると、毎回狙っていく位置に悩まされず考えられると思いますよ」
協力/広尾ゴルフインパクト