今年から米LPGAツアーに参戦している竹田麗央。昨年末、本人に取材させてもらった時、アメリカツアーに挑むにあたり、クラブなどで対策をしているのかと聞くと「特にアメリカ対策はしていません」と話していた。しかし、今週の練習ラウンドを見ていると、なにやらパターが違う。昨シーズン、一度もパターを替えなかったことを考えるとこれは大ごとのような気が……。本人に話を聞くと「グリーンの関係ではありません」とあっさり。“らしい”答えなのだが、ではなぜ替えたのか?

「初速が出るので今までのイメージよりも飛んでくれる感じがします」(竹田)
「この前の試合(ファウンダーズカップ)で、今まで使っていたパターのストロークのイメージが出なくなってしまって替えてみようと思いました」(竹田)
“今まで”のパターはオデッセイ「Ai-ONE♯7」のショートスラントネックのもの。Ai-ONEパターはその名の通り、キャロウェイ得意の“AI設計”で作られ、打点のミスにめっぽう強いモデル。さらに、インサートはホワイト・ホットインサートに限りなく近い、軟らかな打感が特徴で、竹田自身もそのフィーリングが気に入っていた。昨年一年間、使い続けたパターを替えることに抵抗はなかったのか?
「昨年はずっと同じパターを使っていましたが、パターを替えること自体に抵抗はありません。気分転換にもなりますし、イメージも変わる。今回のチェンジも気分転換の意味も少し入っていますね」
新たに投入されたパターはオデッセイ「Ai-ONE MILLED SILVER SEVEN T DB」。形状こそ♯7で同じものの、ネックはショートスラントからダブルベントのものに。竹田は「ホーゼル部分がないので、すごくスッキリ見えます。構えやすくて真っすぐのイメージが出しやすい」と話す。気になったのは、ネック以上に打感だ。“Ai-ONE MILLED”はAI設計という意味では同じだが、そもそも素材がチタンであるため、少し硬く、弾くような打感になる。今まで軟らかい打感のパターを使っていた竹田にとって、相当イメージが変わりそうな気もするが……。

「形状は同じですが、構えた感じの見え方は全然違います。いつ戻すかわからないですが、とりあえずいい感触です」(竹田)
「もちろん、今までのモノより弾く感じはあります。ただ、今の私にはそっちのほうがむしろイメージが合う。先週は、特にショートパットのイメージがぜんぜん合わなかったんですが、練習ラウンドの感じではすごくいい感じです。なんか新鮮な気持ちにもなっています」
プロアマのこの日は9ホールを回り、パターの感触を確かめていた。多くを語らないが、その表情を見ると感触は良好のようだ。
撮影/姉崎正