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竹田が小学生時代から通っていた龍田ゴルフ練習場は『オーイ!とんぼ』の舞台にもなった50年続く練習場。プロゴルファーの母・哲子さん、賞金女王に2回輝いた叔母・平瀬真由美プロもジュニアの頃から練習していたという。

龍田ゴルフ練習場の「とんぼコーナー」。そういえば、純粋、一生懸命、ちょっぴり天然、でも負けず嫌いな竹田は“リアルとんぼ”なのかもしれない!?(撮影/Norimoto Asada)
井嶋康博さんは、「当時から体格が大きかった。ご家族皆さん大きく、スポーツマン一家です。話をしたり携帯をいじることもなく、毎日黙々と1人で練習していました。隣に作っているパター、アプローチ、バンカー練習場でも一生懸命やっていましたね。最初の頃は送り迎えがあったけど、高校の頃からは自宅まで2~3キロの距離を走って帰ってもいました。
一般の男性と同じくらい飛ぶフェードボールも素晴らしいなあと思っていたから、いずれプロになるんだろうなあと思ってはいましたけど、女王はびっくり。プロテストに1発合格してすぐにシードが取れたのも大きかったと思います。でも当時からアメリカを目指している雰囲気もあったなあ。ここにあるテレビで、竹田プロが活躍するアメリカツアーの映像も流せたらいいですね」とエールを送る。

天然芝の練習グリーンやアプローチやバンカー練習場は、井嶋社長の心が籠った“手づくり”のもの。飛ばしだけではない、竹田の総合力が磨かれた場所だ(撮影/Norimoto Asada)
所属するヤマエが経営し、竹田も練習に通う津浦ゴルフアリーナは“RIO愛”に溢れる。道路沿いの看板にもRIO、受付の前に等身大のRIOパネル、ロビーにもRIOの写真やグッズを展示、自動販売機にもRIO……会長肝入りのRIOルームには最新トレーニングマシンを設置し、2階にはRIO打席もある。

54番のRIO指定打席。10ヤード刻みに看板を置いてある。RIOの似顔絵は大阪の支店長が描いたもの、看板とタオルのイラストは新入社員の方の作品だ(撮影/Norimoto Asada)
梅田穣さんは「ここは竹田プロのために作ったようなもの(笑)。会長がお父さんのショップのお客さんだった関係で、麗央プロを応援するようになって。1勝はすると思っていましたけど、まさか8勝もするとは。初優勝のバンテリンのときは皆、タオルなど持って行って応援しました。会長命令です(笑)。12月にここに麗央プロが来たとき、明治カップで優勝したときの副賞のチョコレートなどをたくさんくれて、皆喜んでいました。一生懸命サインもしてくれて。ホワッととしてるのがいいんですけど、きちんともしているんですよね。看板は毎回書き換えてます。連続優勝のときは大変です。お客さんに『まだ書き直していない』と言われますし(笑)。麗央プロと同じく、この練習所もナンバーワンになるように頑張りたい。アメリカに行って寂しいけど、あの飛距離と体力があれば向こうでも勝つ可能性は高いですよね。応援に行けるならそうしたいです」。

会長はほぼ全試合、全国にある支社の方々もご当地の試合中心に応援に行く。本社は福岡、イタリアやシンガポールにも支店があるが、アメリカにもできるかも!(撮影/Tadashi Anezaki)
西洋平さんは、「先日、グリップの持ち方を聞いたんです。細かく握り方を教えてくれると思いきや握って見せて『こうです、ニコッ』みたいな。そういうところも魅力です(笑)。実は優勝のたびにイベントを行っていたんです。最初は7アンダーで優勝したので777円の打ち放題、8回目は88分888円に変えたり。アメリカで優勝したら、またイベントを考えないといけないでしょうかね」。
竹田を一番身近で支えるご家族にも話を聞いてみよう。ゴルフショップを経営する父・宜史さんは、「今年の活躍にはびっくり。でも1勝してからは本当に落ち着いて試合をしているなと思います。子どもたちには好きなことを好きなだけやってほしいですし、やりたいなら、そこに向けて準備していってほしい。それだけです。アメリカでも自分のゴルフを出して、足りなかったらまた練習して。目標があるでしょうから、そこに向かって、結果は恐れずにやっていってほしいと思います」。

今も5人でラウンドをすることもある仲良し竹田ファミリー(撮影/Tadashi Anezaki)
日本での試合同様、アメリカでもずっと帯同する母・哲子さんは、竹田の負けず嫌いエピソードを、「走ることなども、もちろん1番になりたい。だからなれなかったときは、その場ではあまり感情を出さないけど、車に乗ったり家に帰ったときに、バーッと泣いたりすることもありました。来年はどんな1年になるんでしょう。想像がつかないんですけど、アプリに助けられながら私も頑張ります」。
自分の性格を「マイペースです」と言う竹田は、「行っていろいろなコースでプレーできることは楽しみ。1年間いろんな経験をして、自分のゴルフがレベルアップしたらいいですね」。
周りの人々の愛に支えられながら、ホンワカRIOはアメリカに挑む。