快晴微風の好天に加えオーバーシードされたフェアウェイ、柔らかいグリーンが選手たちの好プレーをアシストした。
絶好のコンディションのなか「ショットが良かったので今日はすべてバーディを狙っていきました」というナップが1番からいきなり5連続バーディを奪うと中盤と後半でぞれぞれ3連続、最終18番をイーグル逃しのバーディで締めくくりゴルファー垂涎の59を達成した。

PGAツアー「コグニザントクラシック」で59を叩き出したジェイク・ナップ(写真/Getty Images)
連覇がかかった前週のメキシコオープンでは25位タイの平凡な成績に終わったが「自分のプレーが良い方向に向かっているのはわかっていました」と手応えを感じつつ挑んだ今大会。
フェアウェイキープ率85.7パーセント、パーオン率88.9パーセント、25パットとストレスのないラウンドでリーダーボードの最上段を射止めた。
舞台のPGAナショナルは終盤に池絡みの“ベアーズトラップ“(改修を手がけたジャック・ニクラスの愛称が由来)が待ち構える屈指の難コースだが、ここ数年コンディションの改善が施され難易度が緩和された。そのため数年前まで優勝スコアが一桁アンダーだったのに昨年は17アンダーでオースティン・エクロートが優勝している。
また最近雨が多かったためグリーンがやわらかかったことに加え、大会初出場で初日6アンダー65をマークしたスピースが「今日は一番やさしいところにピンが切ってあった」と証言。
8アンダー63で回り2位タイにつけたダニエル・バーガーは「いいプレーができたと思うけれど、それ以上のプレーで誰かが59をマークした。このコースは明らかにかつて我々が慣れ親しんだベアーズトラップではない」と変わってしまったコースに一抹の寂しさを覚えている様子だった。
ベテランのビリー・ホーシェルも「ゴルフの素晴らしい試練だったのに(易しくなって)ちょっと残念です」と複雑な心境を吐露した。
とはいえコンディションはどうであれ50台をマークするのは難しい。これまでのコースレコード61を2打更新したナップは文句なしで凄い。
ちなみにこれまでPGAツアーで50台をマークした14人中優勝したのは5人。うちファーストラウンドで50台を出して勝ったのは2人しかいない。果たしてナップは3人目になれるか?