
アーノルド・パーマー招待で約2カ月ぶりにツアー復帰を果たしたX・シャウフェレ。仲良しのJ・トーマスとのラウンドだったが、52位タイと出遅れた(PHOTO/Getty Images)
昨シーズン、メジャー無冠の汚名を返上し全米プロと全英オープンを制し一気に世界ランクNo.2に上り詰めたシャウフェレ。そんな彼が脇腹に異変を感じたのは昨年12月のことだった。
痛みを押して1月の開幕戦ザ・セントリーには出場しTGLの初戦にも出場したが、それ以降は完全休養。フロリダのジュピターにある自宅のソファーに陣取りフレンチブルドッグのチューイを隣にはべらせ大半の時間を過ごしてきた。
「まるで一生のように感じた」と笑うシャウフェレ。12月中旬に右の肋骨に異変を感じたが、体が発した警鐘を無視し普段通りの練習とトレーニングに励んでいた。
その時期トレーナーがビザを更新するため不在だったため孤軍奮闘。脇腹の痛みに目をつぶりながら練習を続け「ひとりぼっちで置いてけぼりされた幼児のようだった」。
無視できないレベルに患部が悪化したためMRI検査を受けると肋骨は折れていなかったものの周辺の筋肉が炎症し、軟骨が断裂していることがわかった。
サンディエゴ出身の彼はお気に入りのトリーパインズGCで開催されたジェンシス招待で復帰するつもりだった。しかし9ホールをプレー(練習)した後、まだ競技に戻るのは早すぎると気づいた。
そしてここ数日自宅近くで近所に住むジャスティン・トーマスとパー3コースでプレーし、1月以来となるTGLプレーオフ前の最終戦にも参戦。アーノルド・パーマー招待のベイヒルでも入念な練習ラウンドを行った。
「(練習ラウンドで)最初にやったのはラフからボールを打つこと。キャディのオースティンに“これが上手くいかなかったら家に帰るよ”と言ったんだ」
準備を重ね出場した大会では仲の良いトーマスとの2サムでプレーしたが、メジャー並みの厳しいセッティングにラウンド後は開口一番「ひどい目に遭いました」と苦笑い。

不本意なラウンドだったが、ラウンド後にファンとしっかり交流するのがシャウフェレ。人柄の良さがうかがえる一枚だ(PHOTO/Getty Images)
「正直、復帰するには厳しい場所でした。他のコースなら2、3打のミスで済んだかもしれないのに自分はマゾヒストなのかもしれない」
敗因は「硬いグリーンでパッティングいのラインを読めなかったこと。いくつかのホールには敬意を払わず舐めてかかったのかもしれません。十分準備をして風が弱いところでは良いショットも打てましたけど……」
それでも「体調はいい」と前を向いたシャウフェレ。検査の結果も異常なし。昨シーズンの主役が再び輝くときはそう遠くないはずだ。