
軽量モデルの「GT1」を男子プロが使用する理由とは?
実はさまざまなメリットがある!?
みんゴル取材班(以下、み): タイトリスト「GT1」は軽量モデルですが、男子プロの米澤蓮と阿久津未来也がドライバー、幡地隆寛も3Wを使用しているそうです。「1」シリーズは「VG3」の流れもありシニアや非力な人が使うというイメージがあります。女子ならまだしも男子プロとの組み合わせにはかなり違和感があります。
宮城:「GT1」のヘッドはまだ計測していませんが、「TSR1」が192とか193グラムくらいでしたかたそれほど変わらないでしょう。タイトリストのヘッドは全体的に重く、GT3やGT4と比べたら10グラムほど軽いはずです。
み:ヘッドだけでもけっこう違いますね。軽いヘッドを使うメリットはなんでしょう。
宮城:スウィングの違いから考える必要があります。いまどきの若い選手はボディの回転で打ちます。手を使わないのであまりに重いとヘッドが垂れてしまいます。また、昔のアームスウィングではドライバーもハンドファーストで当てていましたが、いまのボディスウィングはハンドレイト気味に手を中に入れてかまえる選手が増えています。インパクトでヘッドを遅らせず、同じ形に戻すためにヘッドを軽くするのは理に適っています。「ベンタス レッド」など先が動くシャフトを使っても振り遅れを防ぐことはできますが、それだと左のミスが増える可能性があります。
み:なるほどですが、逆に軽さのデメリットはありませんか? クラブは振れる範囲で重いほうがいいというのが定説です。
宮城:軽量ヘッドのデメリットはスマッシュファクター(ミート率)が下がることです。ある程度インパクト効率を上げてボール初速を出すためには195グラムは欲しいところです。ただ先ほど言った理由から逆にスマッシュファクターやヘッドスピードが上がる可能性は十分あります。
み:振りにくさは感じないものですか?
宮城:プロはウェイトを増やしている可能性もありますが、そうでなくともシャフトとグリップを重くすればクラブ重量はそんなに変わらないですし、レングスを短くすればバランスも出ます。そもそも違和感があればプロは使わないでしょう。
み:「GT1」はGTシリーズの中ではライ角がアップライトです。
宮城:そこをどう調整しているのか興味はありますが、「GT1」は他のモデルと比べて重心が深くてスピンが入りやすいヘッドです。打ち方でスピンが減りすぎる選手にはちょうどいいのかもしれません。