小祝さくらは自分に自信があるわけではない。17年にプロ入り後、本格参戦した18年からのメルセデス・ランキングを見てみると、18年8位、19年が6位、20-21年が3位、22年が7位、23年が4位、24年が4位であり、常に安定した成績を残している。それなのに、だ。だからこそ、地道に練習する。このオフは、ハワイで3週間、宮崎で1週間、沖縄で1週間の合宿をした。
ハワイの前半は竹田麗央と一緒に、後半は1人で合宿した。キッチン付きの部屋を借りていたので、基本3食自炊。朝ごはんを部屋で食べ、お弁当を持ってホアカレイCCへ。ほぼ毎日ラウンドを入れて早朝から一日中練習し、練習後には必ずランニング。時間に余裕のある日はキャッチボールもした。これもよいトレーニングになるのだ。オフの日は海に入ったりトレーニングがてらココヘッドへ登山。竹田は初めて登ったそうで、思ったよりキツかったらしい。
竹田が米ツアー参戦のためひと足先に合宿を終え、1人になってからもルーティンは崩さず練習。合宿に来ていた笠りつ子と一緒にラウンドしたりもした。2人の共通点は「プレーが早い」こと。

ハワイ合宿では笠りつ子先輩ともラウンド練習
その後の宮崎合宿。毎朝ランニングとトレーニングとキャッチボール。練習場で練習してからラウンドへ。1人でラウンドする日もあれば脇元華とラウンドしたり。オフでゴルフをしていたジャイアンツの選手がわざわざ声をかけに来てくれたりもした。
そうしてシーズンを迎え、当然、今年は周りから「年間女王」の期待が高まるが、「何も考えていません。自分のベストを尽くせば付いてくるものと思っています。自信も全然ないですし……まずは1勝を目指して、そこから複数回優勝を目指していけたら」と相変わらず謙虚でマイペースな小祝。
しかし、忘れてはいけない。だから小祝さくらは強いのだ。
今年も全試合に出場するつもりだ。こちらも〝小祝らしさ〟は崩さない。「年齢的にも夏なんかは過酷ですが、何とか乗り切って最後まで頑張りたいです」。そうして臨んだ開幕戦、小祝さくらは予選落ちしてしまった。

ダイキンオーキッドでは仲の良い岩井姉妹と予選をラウンド。この試合は岩井千怜が優勝しV2。同じ週、竹田麗央も米女子ツアー2勝目。仲良しの後輩たちに刺激をもらいながら、マイペースに粘り強く戦う
「チャンスについても全然バーディが取れないので、流れがダメだと思いました。そういうときもあるなととらえていました。悔しさはあるんですけど、もう終わってしまったので。ショットとか全体的にスコアほどは悪いと感じないんですけど、なんせかみ合わなかったですね。でも始まったばかりなので、ここから調子を上げられるように調整するのみです」
小祝さくらの2025シーズンが始まった。今年もオンとオフ、一試合一試合、一打一打を切り替えながら戦っていく。
※週刊ゴルフダイジェスト2025年4月1日号〝ゴルフときどきタン塩〟より(PHOTO/Hiroyuki Okazawa)