全国から問い合わせが殺到するという知る人ぞ知る人気ショップ「ゴルフステージ成城」のクラブナビゲーター吉田朋広氏が注目するギアを徹底検証・解説する企画。今回はRYOMA GOLFのオリジナルシャフト「BEYOND POWER Ⅲ」シリーズを試打検証する。

こだわりのシャフトラインナップが魅力

先週はRYOMA試打会に参加した様子を書きましたが、なかでも充実のシャフトラインナップに感心しました。RYOMA GOLFは元々純正シャフトにこだわりの強いメーカーとして有名です。RYOMA GOLFの優れたヘッドパフォーマンスを発揮するための純正シャフトラインナップはRYOMA MAXIMAのドライバーの性能をフルに発揮するために最高の性能とフィーリングが得られるまで試作とテストを徹底的に繰り返し開発されたヘッドのパフォーマンスを最大に発揮するオリジナルシャフトです。

クラブメーカーの多くはヘッドがメインでシャフトはサブという位置付けのイメージが多いなか、RYOMA GOLFはどちらも重要と考えているメーカーです。2024年9月に発売された「RYOMA MAXIMAⅢドライバー」に合わせてシャフトもチェンジしています。今回のコラムではRYOMA GOLFのオリジナルシャフトを検証していきたいと思います。

まずは代表モデルの「BEYOND POWER Ⅲ」シリーズです。BEYOND POWER ⅢはスタンダードモデルのBEYOND POWER Ⅲと軽量のBEYOND POWER Ⅲ LIGHT、スタンダードモデルをやや重くしたBEYOND POWER Ⅲ PLUSの3種類のラインナップです。

「BEYOND POWER」はRYOMA GOLFのメインシャフトのネーミングで「BEYOND POWER Ⅲ」はその名の通り3代目。シャフト重量は46グラム、トルク5.1でキックポイントはMIDです。クラブのシャフト振動数は216CPMです。試打会の時にも感じましたが、非常に振り心地の良いシャフトです。ベースのモデルがありながら2年半もの時間をかけて開発されたシャフトとのことですが、時間がかかった最大の要因は「ドライバーのショートレングス化」。

旧型MAXIMAⅡのときはオリジナルクラブレングスが46.5インチ(60度法)ありましたが、新型のMAXIMA Ⅲは45.75インチ(60度法)。ショートレングス化による飛距離パフォーマンスダウンがないように徹底したテストを繰り返して完成に至ったシャフトです。メインモデルのシャフトとして多くのアマチュアゴルファーのスウィングに合わせて切り返し時のシャフトにかかるテンションのパターンを分析して開発されているのでしょう。切り返し時からストレスを感じることなくスムーズにインパクトまで導いてくれます。

画像: BEYOND POWER Ⅲはワンフレックス

BEYOND POWER Ⅲはワンフレックス

シャフトの動きは中間部分から先にかけてしなやかにしなります。ボールをしっかりととらえてくれてインパクトも厚く、ボールをフェース面に押し込んでくれるイメージですのでバックスピン量も少なめです。右へのミスは出にくく、何よりもインパクトの再現性が非常に高いのでミート率は確実にアップするでしょう。

MAXIMA Ⅲを試す際にまずは「BEYOND POWER Ⅲ」から試して欲しいと思います。

BEYOND POWER Ⅲ LIGHT

続いて「BEYOND POWER Ⅲ LIGHT」。シャフト重量は37グラム、トルク6.0、キックポイントはMIDです。シャフト振動数はオリジナルクラブレングスで192CPM。

BEYOND POWER Ⅲをそのまま軽量にした感じのシャフトですね。しっとりしたフィーリングで先端部分に走り感はありますが、穏やかなシャフト挙動ですのでパワーがない方にも非常に扱いやすいシャフトです。

ボールを右へ逃がさないシャフト挙動は多くのアマチュアゴルファーが求める性能の一つですが、BEYOND POWER Ⅲ LIGHTは軽量シャフトながら振り遅れることなくヘッドをインパクトエリアに導いてくれます。BEYOND POWER Ⅲ LIGHTの6.0のトルクがもたらす弾道修正性能も特長ですね。

多少の打点ブレでフェースが開閉したような時の弾道安定性が高いと思います。

もちろんMAXIMA Ⅲのヘッドとのマッチングの効果がありますが、軽量シャフトながら高い弾道補正性能を持ったシャフトだと感じます。再現性の高いインパクトやミート率のアップ等、BEYOND POWER Ⅲの性能をそのまま振りやすい軽量モデルに仕上げた完成度の高いシャフトです。

ヘッドスピードの遅めのゴルファーだけでなく、レディスゴルファーにも振りやすいシャフトだと思います。

BEYOND POWER Ⅲ PLUS

そして「BEYOND POWER Ⅲ PLUS」はシャフト重量50グラム、トルク4.9でキックポイントMIDです。シャフト振動数はオリジナルクラブレングスで216CPM。数値的にはBEYOND POWER Ⅲと同じシャフト振動数ですが、フィーリングは結構しっかりとしています。

BEYOND POWER Ⅲ PLUSは手元側にしっかりとした剛性を感じられやや強めの切り返しでも手元が潰れ過ぎず、レスポンスも良くもたつく感じがないので叩けるインパクトイメージが作りやすく感じます。

画像: 上からBEYOND POWER Ⅲ、BEYOND POWER Ⅲ LIGHT、BEYOND POWER Ⅲ PLUS

上からBEYOND POWER Ⅲ、BEYOND POWER Ⅲ LIGHT、BEYOND POWER Ⅲ PLUS

中間部分から先にかけてはしなりがあるシャフト挙動ですのでボールはとらえやすい動きです。先端部分はやや動くものの、走る感じではなく、押し込む感覚がある。フェースが上を向かずにインパクト後もヘッドを飛球線方向に運んでくれます。ボールがつかまり過ぎない設計もBEYOND POWERⅢ PLUSの特長で「ほどよくつかまる」という表現がピッタリくるシャフトです。

先端部分は剛性があるため強めのインパクトでもバックスピン量が多くなりすぎず、ボールの吹け上がるような感じはありませんし、打点ブレに強いです。シャフト重量からイメージするとシニアアスリートゴルファーやBEYOND POWERⅢにしっかりとしたフィーリングを求めるアマチュアゴルファーに良いと思います。

BEYOND POWER Ⅲをベースに各部分を補強したようなイメージの仕上りを感じます。

さて、今回は「RYOMA MAXIMAⅢドライバー」に採用されているオリジナルシャフト「BEYOND POWER Ⅲ」についてお話ししてきました。実はRYOMA GOLF にはもう一つの純正シャフト「TOUR AD MX-3 」があります。TOUR ADという名を明記してある通りグラファイトデザイン社との共同開発モデルで初代から存在しているシャフトです。

次回はその「TOUR AD MX-3 」についてをお話ししたいと思います。

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