“地元でゴルフができる” 受け皿を増やすことが大切
優秀な選手の獲得競争と高校ゴルフ部の減少を合わせて考えると、生まれ育った地域にゴルフ部がないとなれば、より良い環境を求めて県外に出るのも自然なことになる。ジュニアゴルフの繁栄を考えると、地元に留まり、ゴルフを続けられるための受け皿をしっかり作る必要がある。日本全国どこでもゴルフができる、続けられる環境が整っていれば、「地元でゴルフをする」という選択ができるようになり、ジュニアゴルファーの底上げにつながる可能性もある。
日本高等学校・中学校ゴルフ連盟は、ゴルフ部創部に必要な道具や環境、技術指導をサポートする「ゴルフ部創設・部活動支援プロジェクト」活動を行っている。指導や部の運営を地区連盟役員がバックアップし、技術指導者が必要な場合は連携の各地区ゴルフ団体、プロ団体からの派遣(契約)をしている。道具も「ゴルフパートナー」や各協賛企業と提携して、中古のクラブセットや練習マット、ボールなどを貸し出している。
さらに部活がない小、中学生のジュニアゴルファーを支えることを目的にした「ジュニアゴルフクラブチーム連盟」が4年前に、日本高等学校・中学校ゴルフ連盟の姉妹団体として設立された。代表を1人立て、選手を4人以上集めれば登録可能となっている。同じ練習場で切磋琢磨するジュニアゴルファーでチームを組むこともできるようにした。クラブチーム連盟は定期的に試合を開催し、競技歴に合わせて「エンジョイ」、「アスリートクラス」のカテゴリーに分かれているのが特徴だ。
「小、中学校にゴルフ部がなく、他のスポーツとゴルフを両立している子もいます。高校にゴルフ部が少ないため進学に合わせて他の種目を選び、ゴルフを辞めてしまうこともあります。そういった子供たちが高校でもそのままゴルフを続けていけるように、ジュニアゴルフクラブチーム連盟に所属して、競技としてのゴルフを小さい時から触れられる環境作りが大切だと思います」(橋本)
子供たちが身近にゴルフと触れることができて、小中高と途切れることなく競技に打ち込めるようになれば、ジュニアゴルファー減少の歯止めになるかもしれない。強豪校の有力選手争奪戦は、部の戦力アップのための手段かもしれないが、橋本氏の言うように、「地元で続けたくても選択肢がない子どもたちの苦渋の決断」が、局所に集中しているのも事実。各団体の支援の手を借りながら環境を整え、やがて強豪チームとなるような事例が増えてくれば、それに続けと「ゴルフ部のある学校」が増加するかもしれない。
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