毎日300発打って、平均飛距離は250メートル
1983年、怪童として注目されていたジュニアゴルファーがいました。川岸良兼、小松明峰高校2年。日本ジュニアを連破し、その後、日本大学ゴルフ部に進みプロ転向。日本プロゴルフツアーで6勝を挙げています。現在、女子プロツアーで活躍中の川岸史果の父です。週刊ゴルフダイジェストが当時取材したインタビュー記事をご紹介します。当時の距離表示は「メートル」、ドライバーはパーシモン、ボールは糸巻きだったことを踏まえてお読みください。
1984年の日本ジュニアを優勝した時の川岸良兼
霞ヶ関CC東コースを3ラウンドし、6アンダーの210ストローク。2位には11打差。
これが今年の日本ジュニアチャンピオン川岸良兼君の優勝スコアだ。春のオールジャパンジュニアに次ぐ優勝で、ジュニア界ナンバーワンの座を不動のものにした。
その川岸君の売り物がドライバーの飛距離である。まずは記者会見の模様の一部。
――北国オープンではジャンボ尾崎に飛ばしで勝ったんだって?
「ええ、いえ、半分半分くらいでした」
――ドライバーの平均飛距離は?
「250メートルぐらいです」
これも16歳、高校2年生である。昨年入会した加賀芙蓉CCのクラチャンをとるなど、その飛ばしとゴルフのキャリアはあの倉本昌弘を彷彿とさせる。
身長180センチ、体重は春よりちょっとやせたとかで78キロ。足のサイズ28センチ、グローブサイズは26センチ。握力は右75キロ、左70キロ。
ベストアマとなったデサント北国オープンから、9日間で10ラウンドという強行軍にも「体はちっとも痛みませんし、疲労はありません」というのも、この恵まれた体格のため。もちろん体力維持のためには人の2倍は食べるそうだ。
家業が練習場を経営しているので、小学校1年ころからクラブを振るようになった。本格的にゴルフを始めたのは小学校4年から。そのときから今までプロやトップアマに師事したことがない。
「練習場にくるお客さん達に少しずつ習いました。父はまったくゴルフをやりませんから」
内外のゴルフ番組は欠かさず見て、ウェイトトレーニングやランニングも不定期ながらやることがある。そして毎日300発を打ち込む。
「好きなクラブはドライバーでいつも目一杯振っています。フェードを打ちたいのですが、まだなかなか思うようにいきません。ゆっくりしたテンポで、体が流れないようにと気をつけています」
そして夢は――。
「もっと飛ばしたい!」
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