「KKコンビ」が注目されたPL学園野球部が圧倒的強さで夏の甲子園を制した同じ日、ゴルフ部も全国制覇を目指して、千葉県・かずさCCで激しい戦いを繰り広げていた。野球とゴルフで同時高校ナンバーワンの目論みは、団体戦2位とついえたが、個人戦では断トツのトップを奪った。野球の影に隠れたPL学園ゴルフ部にスポットをあててみよう。※記事は1985年8月に発売した「週刊ゴルフダイジェスト」の再録です。

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ゴルフも強いことをみんなに知ってもらおう

PL学園野球部と同日Vだ! きょう21日の最終日、史上初の野球部との同時V達成にPL学園ゴルフ部燃える!

――8月の各スポーツ紙の誌面の大方は高校野球、夏の甲子園大会の記事で埋めつくされる。しかし、21日付のスポーツ紙を見れば、少なからずゴルフファンの目には以上のような内容の記事が飛び込んできたはずだ。

8月20日、千葉県市原市の「かずさカントリークラブ」では、高校ゴルフ界の通称「緑の甲子園大会」といわれる第6回全国高等学校ゴルフ選手権大会(文部大臣杯)が開催された。全国5地区の予選を勝ち抜いた34校が出場し、2日間54ホール(パー216)ストロークプレーによって団体戦と個人戦が争われた。

初日の20日、PL学園は団体戦で日体荏原高にリードを許したものの、6打差2位の逆転圏内につけ、個人戦ではチームのけん引車である主将の北島泰介君が奮闘を見せてトップ通過。このまま順調にスコアを伸ばせば明日21日の最終日には、甲子園球場で活躍する野球部とともに、史上初の「アベックV」もけっして夢ではなかった。この日、20日の甲子園球場ではPL学園が準決勝で軽く滋賀代表の甲西高を大差で破り、翌日の決勝に予定通り駒を進めていた。出場選手の中で唯一通算イーブンのスコアをマークし、個人戦のトップに立った主将の北島君はその自信を語った。

「きょうも清原はホームランを打ったんでしょう。もちろん、刺激になります。清原とはクラスメイトですから、明日は野球部と一緒に優勝したいです」

さらに初日の27ホールのラウンド終了後、PL学園ゴルフ部監督の藤原勝氏は、宿舎のミーティングで選手たちに叱咤激励した。

「きょうの成績のことは忘れよう。明日もまた新たな自分の実力を出し、野球部と一緒に優勝できるように頑張ろう。PLは野球と剣道ばかりでなく、ゴルフも強いということをみんなに知ってもらおうじゃないか……」

そして、最終日の21日――。

PL学園は超高校級選手をそろえた日体荏原高を追撃できず、団体戦は惜しくも2位。しかし、個人戦では北島君が初日につづき終始トップの座を守り、参加選手の中で唯一の通算1アンダーの215。団体戦は逃したものの個人戦に優勝し、この日、甲子園を制した野球部とともに不完全ながら「アベックV」を果たしたのだった。

●第6回全国高等学校ゴルフ選手権(緑の甲子園)結果

優勝 日体荏原高校(東京) 897

※5人中上位4人のスコアを採用。18ホール換算の平均ストロークは「73.0」

準優勝 PL学園(大阪) 912

3位 埼玉栄高校(埼玉) 930

4位 愛知高校(愛知) 932

5位 日大高校(神奈川) 935

6位 明大中野高校(東京) 936

7位 瀬戸内高校(広島) 943

8位 横浜高校(神奈川) 951

9位 平安高校(京都) 958

10位 専大付属高校(東京) 976

▶▶▶「PL学園ゴルフ部が強くなった経緯①」は次ページに掲載

画像1: golf-digest.co.jp
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