吉田優利選手の9打差圧勝となったVポイント×SMBCレディス。この試合には吉田選手に加え、岩井千怜(3T)、勝みなみ(3T)、渋野日向子(6位)、岩井明愛(7T)と5人の米女子ツアー組が参戦し、全員がトップ10入りとその実力を見せた。
画像: 国内ツアーで2勝目を挙げた吉田優利が妹・鈴と渋野日向子の3人でピースサイン(撮影/姉崎正)

国内ツアーで2勝目を挙げた吉田優利が妹・鈴と渋野日向子の3人でピースサイン(撮影/姉崎正)

そのなかでも、2戦連続2位の菅楓華選手に9打差をつけてみせた吉田選手のプレーは圧巻の一言。その強さの秘密を女子ツアーに詳しい中村修プロに聞くと、こんな答えが返ってきました。

「吉田選手は、2日目のホールアウト後のインタビューで『自分がいいプレーしたいし、納得のいくゴルフがしたい、ただ自分が気持ちよくゴルフしたいだけ』と語っています。誰が良いプレーをするかはわからないので、『出場選手の中で一番いいプレーができるように準備したい』と。技術だけでなく、こういうマインドで向き合うことも大切です」

あくまでも自分のプレーと向き合う。ライバル選手との比較やスコア差ではなく、自分がいいプレーをすることだけに集中する。言葉で書くとそんなの当たり前でしょと感じられますが、ゴルファーならばその難しさがレベルは違えどわかるはず。

その難しい心のありようを3日間徹底できた点が、吉田選手の勝因のひとつだと中村プロは分析します。

「そして、吉田選手に限らずトップ選手たちは『最高のプレーとはどんなプレーか』が見えていることも重要な要素です。たとえば吉田選手は、18番のバーディパットが打ち切れなかったことを悔いていました。決めても9打差が10打差になるだけで、勝利という結果は変わりませんが、大切なのはどこまでいっても結果ではなく自分のやりたいゴルフを貫き、最高のプレーを目指すこと。それが伝わるコメントでした」

画像: 自分のやりたいゴルフを貫いて優勝した吉田(撮影/姉崎正)

自分のやりたいゴルフを貫いて優勝した吉田(撮影/姉崎正)

勝利という結果以上に、自分のしたいゴルフをやり切る……トップレベルの選手のゴルフは、ちょっと想像を超えるものがあります。そしてもちろん、「最高のプレー」のなかには、ナイスショットでフェアウェイをとらえ、アイアンでピンを刺す……といった成功イメージのみならず、「アプローチやバンカーなどのピンチとどう向き合い、どう切り抜けるかも含まれるはず」と中村プロ。

レベルが違いすぎて実感が難しいですが、どこか我々アマチュアのプレーにも参考になりそうです。

「このフィールドで、一番いいプレーをすることが目標でした」その言葉を有言実行してみせた吉田選手。

米女子ツアーでは、移動やコースの違い、時差ボケなどの影響からなかなかルーティン通りにプレーできなかったものの、経験を積んだことで「これなら仕方ない」という思考に徐々に変わったとコメントしています。

やはり、環境に適応するのにはそれなりの時間が必要なのでしょう。しかし、日本との違いを飲み込んだうえで、改めて「最高のプレー」を目指していったその先には、きっとアメリカでの勝利も待っているのではないでしょうか。

今回の勝利はその序章だった。シーズンが終わったころには、そう振り返ることになっているかもしれませんね。

国内ツアー2勝目の吉田優利

【大会練習日に撮影】吉田優利のドライバー正面連続写真(撮影/岡沢裕行)

2日目に2位と10打差をつけた吉田

大会前に妹・鈴や渋野日向子らとドレスアップ姿を披露

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