今シーズンのベストはアメリカンエクスプレスの21位タイ。現在ポイントランク107位のファウラーは15年に優勝したザ・プレーヤーズ選手権の決勝ラウンドで82-79を叩き下位に沈んだ。
世界ランクも105位と三桁台。昨年のマスターズは23年のロケット・モルゲージ・クラシックの復活優勝で出場権を獲得したが21年から23年までは出場を逃している。

昨年はマスターズに出場していたリッキー・ファウラー。今年も切符をつかむためには今週と来週の大会、どちらかで優勝するほかない(写真は2024年のZOZOチャンピオンシップ 撮影/岡沢裕行)
21年にデビュー以来初めてオーガスタ行きを逃したときメジャー6勝で皮肉屋のニック・ファルドが「その週休みならリッキーのコマーシャルをまとめ撮り出来るからスポンサーは喜ぶね」とジョークを飛ばしたものだ。
思えば11年前(14年)彼は4つのメジャーすべてでトップ5入りする快挙を成し遂げた。全米オープンと全英オープンでは2位タイと戴冠まであと一歩と迫っている。当時はファウラーがいつメジャーに勝ってもおかしくないと思われていたのだが……。
ときは流れ今年また彼にとってマスターズ出場は高いハードルとなった。とはいえ諦めるのは早い。テキサス2連戦は我々の予想を超えたドラマが起こる場所だから。
昨年のヒューストン・オープンでは出場権がなかったステファン・イエーガーが優勝、続くテキサス・オープンではアクシャイ・バティアが勝ってマスターズ行きの切符最後の2枚を掴み取った。
チャンスがあるのはファウラーだけではない。バルスパー選手権で4位タイに入り優勝も夢ではないと思わせた久常涼もテキサス2連戦のどちらかを制覇すれば、特別招待枠で出場した昨年に続き2年連続でオーガスタの舞台に立つことができる。
ヒューストンには金谷拓実、星野陸也、大西魁斗のルーキートリオも揃って出場。彼らにもチャンスは残されている。
昨年ハリケーンで甚大な被害を受けたオーガスタだが復旧作業が急ピッチで進み多少木は減ったものの美しい景観が甦った。
歴代覇者として生涯出場権のある松山英樹にももちろん2着目グリーンジャケットを期待したい。