習志野CCで行われている「ZOZOチャンピオンシップ」3日目、小島慶太が優勝候補として練習日から注目しているマックス・グレイサーマンとリッキー・ファウラーの2人が奇しくも同組に。当然スタート前から完全密着が始まった。
2日目の昨日はスタート時間51分前にパター練習を開始したグレイサーマンだが、3日目となる本日はスタート時間57分前にパター練習場に現れた。毎日同じルーティンをこなしたいと語っていた彼だが、優勝争いにかける想いが時間として現れたのかもしれない。
10:35分 ティーオフ
グレイサーマン、ファウラー、そしてアンドリュー・ノバクの3人でティーオフ。グレイサーマンは5番からの3連続バーディを含む4アンダーの「30」、そしてリッキー・ファウラーは6番パー5でボギーがあったものの、続く7、8番を連続バーディで取り返し、2アンダー「32」で前半を折り返す。
後半、グレイサーマンは11番でボギーが先行するも、12番でバーディを取りすぐにバウンスバック。その後も順調にスコアを伸ばし、本日6アンダーの「64」でフィニッシュし、3位に浮上。一方、ファウラーはパッティングの距離感に苦しみ、その後伸ばせず、本日3アンダーの「67」で4位タイとし、3日目を終えた。
ラウンドに密着した小島は「現在トップのニコ・エチェバリア選手次第とはなりますが、グレイサーマンはショット、パットともに日を追うごとにかなり仕上がってきており、初優勝のプレッシャーを乗り越えれば逆転優勝がある。一方のファウラーは、パッティングがうまくフィットしていないように見受けられたので、明日のスタート前までの調整が鍵を握りますね」と話す。
2人の選手が持つ“共通ギア”のミニドライバーに注目!
本日はグレイサーマン、ファウラーともにバッグに入れているミニドライバーに注目。両選手がティーショットでどちらのドライバーを使っているのかを下記の表にホール別使用クラブをまとめた。
選手名 | 1番 | 4番 | 6番 | 8番 | 10番 | 11番 | 12番 | 14番 | 15番 | 17番 | 18番 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
リッキー・ファウラー | Mini | Mini | DR | Mini | Mini | Mini | DR | DR | Mini | DR | Mini | |
マックス・グレイザーマン | Mini | Mini | DR | Mini | DR | DR | DR | DR | DR | DR | Mini |
「ファウラーはノーマルドライバーはわずか4ホールのみに対し、グレイサーマンは7ホールで使用していました。ファウラーはフェアウェイの良いライから打ちたいというコース戦略が見て取れた一方で、グレイサーマンは多少方向のズレがあっても、飛距離でアドバンテージを取っていきたいという意図があると思います」
グレイサーマンがミニドライバーとノーマルドライバーをどう使い分けているのか。トラックマンマスターである小島慶太は「練習日にトラックマン社に、彼のデータを見せてもらいました。ノーマルドライバーとミニドライバーでは、明らかに異なる点はアタックアングルです。ドライバーは2.4度アッパーに対し、ミニドライバーは1.2度ダウンと、入射角に3.6度の違いがありました。
その結果、ノーマルドライバーのボールスピードは80m/s、打ち出し角は11度、スピン量は2700rpm。一方、ミニドライバーのボールスピードは75m/s、打ち出し角は8.5度、スピン量は3600rpmというデータに。
この数値から読み取れるのは、グレイサーマンがミニドライバーを3Wの代わりとして使用している可能性が高い。元々ヘッドスピードが速く、スピン量が多いプレイヤーなので、通常の3W(ロフト角15度前後)ではスピン量が増えすぎて満足のいく弾道が得られなかったはず。ですので、3Wよりロフト角が立っており、スピン量を減らすことができるミニドライバーをバッグに入れるクラブセッティングになったと推察できます」と話す。
単独3位に浮上したグレイサーマンは首位のニコ・エチェバリアと3打差、百戦錬磨の2位のジャスティン・トーマスと1打差だが、「最終日にグレイサーマンが逆転すると思う」と予想するMr.ZOZOウォッチャー小島。
明日の最終日もミニドライバーを駆使するグレイサーマンに注目だ!