プロ入り23年目を迎えた上原彩子。40代を迎えたが、まだまだゴルフという“冒険”の真っ只中にいて、今季は欧州女子ツアーに挑戦中。上原の好きな沖縄の言葉に「ゆいまーる(助け合い)」があり、上原彩子は人と人を結んできた。そして、上原から世界は広がっていく――。沖縄発、世界。“彩子の冒険”の日々を紹介していく。連載4回目はオーストラリアでの試合、フォード・ウーマンズ・NSWオープン(ウーロンゴンGC)を振り返ってみたいと思います。

こんにちは、上原彩子です。今週はLET(欧州女子ツアー)がお休みなので、シンガポールを経由していったん沖縄に戻りました。ツアーの再開は来週の南アフリカになります。

先週のオーストラリアでの試合、フォード・ウーマンズ・NSWオープン(ウーロンゴンGC)を振り返ってみます。初日は午後スタートで強風の中、2日目は午前スタートで、少し雨が降ってはいましたが無風の中でのプレーでした。風がないとスコアが伸びるコースなので、カットラインはイーブンパーくらいかなと予想しながらのプレーで、私はギリギリだったのでかなりプレッシャーもかかっていました。

でも、最終ホールのパー5で、残り135ヤードのサードショットをピン1メートルに寄せてバーディを取り、目標のイーブンパーでホールアウトしたんです。結局、雷で中断となり5組がホールアウトできず、翌日はまた風が吹いてカットラインは1オーバー。でも、無事予選を通過することができました。最終日にはようやくパッティングの感覚がよくなって、ボギーフリーの5アンダー回ることができ、トータル4アンダーの30位タイでフィニッシュ。今後につながるゴルフになったと思います。

私は、こういうリンクスコースも風が吹く中でのプレーもすごく好きです。いくつかのホールはビーチ沿いでとても綺麗でしたし、プレーしながらイルカやクジラが見えるらしいんです。私も探しましたけど、残念ながら今回は会えませんでした。

画像: 今回のキャディは、ツアーに紹介してもらったメンバーさん。「プロアマから担いでくれたんですけど、最終日は『自分のゴルフがある』とかで別のメンバーさんに交代。やっぱり自由な国です(笑)」

今回のキャディは、ツアーに紹介してもらったメンバーさん。「プロアマから担いでくれたんですけど、最終日は『自分のゴルフがある』とかで別のメンバーさんに交代。やっぱり自由な国です(笑)」

ところで、前回この連載で、借りた家で自炊して過ごしているお話をしました。あの後、借りていた家に出たんですよ!黒いアレが。そう、ゴキブリです。そこからもう大変で……。帯同しているトレーナーの寿乃さんと、スプレー殺虫剤や洗剤を使って何とか退治しようとしたんですけど、次から次に出てくる。チェックイン日の夜には10匹以上も! 寝室には黒くて大きなアレ、キッチンには茶色の小さめのアレがたくさん……だから全然寝られないんです。私はさすがに0時には寝ましたけど、寿乃さんは3時くらいまで戦っていたみたいで(笑)。Airbnbの方とずっとやり取りして、翌日クリーニングを入れてもらったんですけど、結局また出てきたんです(泣)。

いろいろ聞いてくれたんですけど、コースメンバーさんの部屋など選手の受け入れ先はもう空いていなくて、最終的にはスポンサーのフォードさんが、自分たちの宿の近くで探してくれたホテルに無料で泊まれることになりました。そして、私がプロアマに出ている間に、引っ越しです。こういったトラブルは、海外“あるある”なんですけど、ツアーがきちんとサポートしてくれるのはありがたいですね。

そして、今回も嬉しい出会いがありました。オーストラリア(ニューサウスウェスト)ゴルフ協会に、山口県の岩国出身のハーフの女性がいらして。聞けば、お父さんがオーストラリア、お母さんが広島出身。戦後、ご両親ともに自分の出身ではない国では嫌な思いをすることも多かったみたいですけど、沖縄に住んでいたときだけは、そういうことがなくてとても過ごしやすかったと。私たちが沖縄出身だと言うとすごく喜んでくれたんです。私たちもとても嬉しく思いました。

画像: プロアマはテキサスクランブルで行われた。コースのヘッドプロ、ゴルフオーストラリアのスタッフとそのお友達と。「皆さん上手で。ワイワイ楽しくプレーできました」

プロアマはテキサスクランブルで行われた。コースのヘッドプロ、ゴルフオーストラリアのスタッフとそのお友達と。「皆さん上手で。ワイワイ楽しくプレーできました」

さて、今週は沖縄には数日しか滞在できなくて、その間、やらなければいけないことが多くてゆっくりはできません。でも、皆さんにお知らせがあります。昨年から開催している「フレンドシップマッチ」を今年も米軍基地のあるタイヨウGCで開催することが決まりました。4月19・20日です。沖縄の言葉、そして連載タイトルの「いちゃりばちょーでー」=「一度会えば皆、きょうだい」をテーマに日米交流を行うイベントです。今年で2回目。昨年からもっと改善したいこともあり、今回沖縄でその打ち合わせもしなければなりません。

画像: 彩子プロの思いが詰まった「第2回フレンドシップマッチ」が今年も4月19・20日に沖縄のタイヨウGCで開催!このQRコードから申し込めます。ぜひご参加ください!! www.okinawa.usmc-mccs.org

彩子プロの思いが詰まった「第2回フレンドシップマッチ」が今年も4月19・20日に沖縄のタイヨウGCで開催!このQRコードから申し込めます。ぜひご参加ください!!

www.okinawa.usmc-mccs.org

本大会は19日がジュニア、20日が大人の大会。昨年も子どもたちは、日米同じ組でラウンドしましたが、大人は日米別の組でした。一部同じ組でラウンドされた方々が「こういうチャンスはなかなかないから、すごく楽しかった」と。だから、今回は皆さんを日米同じ組にします。フレンドシップマッチですしね(笑)。

パーティも私が思い描いているものは、海外のように気取らず立食で、ミュージックやイベントもある華やかで楽しいもの。アメリカのLPGAのパーティで経験したことも生かしたいと思っているんです。普通のゴルフコンペとは違う雰囲気を作って、皆さんに交流しながら楽しんでもらいたい。いろいろなアイデアを考えていますので、日本中から、ぜひご参加くださいね!

PHOTO/本人提供

関連記事はこちら

This article is a sponsored article by
''.