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キャロウェイ『パラダイム Aiスモーク Ti340 ミニドライバー』のロフト角違いを打ち比べ!
メーカーからの訴求ポイントは、最近の大型ヘッドのドライバーが苦手で、確実にフェアウェイを狙いたいという正確性を求めるゴルファーに、振りやすさ、打ちやすさを提供する。重心距離が460ccの大型ヘッドに比べて5ミリ短くフェースターンがしやすい。形状は、可能な範囲で投影面積を大きくしたシャローヘッドと、43.5インチの短いシャフトによって構えた時に安心感があり、ミート率の向上が期待できる。多くのゴルファーのスウィングデータとAIテクノロジーで打点のミスを補正するAIスマートフェースを搭載。

試打した「パラダイム Aiスモーク Ti340 ミニ」のロフト角13.5度のヘッドと『TENSEI60 for Callawayn (flexS・43.5インチ』
試打クラブのロフトは11.5度と13.5度。装着シャフトは『TENSEI60 for Callawayn (flexS・43.5インチ』。試打のボールはいつもどおり、タイトリスト『プロV1』を使用。
今、主流の460cc、45.5~46インチのドライバーに比べ、ダウンサイジングの340cc、43.5インチの『パラダイム Aiスモーク Ti340 ミニ』は、ドライバーとして使うのか、スプーンとして使うのかで迷うところだ。プロ達はどういう使い方をしているのか、小島プロがエピソードを紹介する。
「PGAツアーの選手たちに話を聞くと、『パラダイム Aiスモーク Ti 340 ミニ』を3Wとして入れていると多くの選手が言います。例えばキャロウェイ契約のマックス・グレイサーマンのデータを見ると、通常のドライバーの入射角は2.4度アッパーですが、『Ti340 ミニ』は1.2度ダウンに入っていて、3Wのような入射角になっています。スピン量は通常のドライバーは2700rpmくらいで、ミニドライバーは3600rpmですから、彼の考え方としてはスプーンではスピン量が入り過ぎるから、その代わりとして『Ti340 ミニ』を入れているということなんですよね」(小島)
このPGAツアーのプロのミニドライバーに関する考えや使い方に対して、癸生川プロは、ちょっと違う意見のようだ。
「(マックス・グレイサーマンのように)スプーンとして使うというのは、ヘッドスピードが速いからだろうね。『Ti340 ミニ』の11.5度を見ての感想だけど、僕はどちらかというとドライバーとして使うと思いますね。理由は、スプーンと比べるとヘッドがディープなので、地面から打つ時にちょっと難しさを感じるという印象。日本のプロなんかは、ドライバーとして使っているケースが多いんじゃないか」(癸生川)
『パラダイム Aiスモーク Ti340 ミニ』は、長くて大きなドライバーが苦手な人の代替ドライバーなのか、スピン量を抑えて距離を出せるスプーンとして使うのか。アマチュアゴルファー目線からの検証をしていこう。
ロフト11.5度をHS44m/s前後で打ってみる
【トラックマン4のデータ】
クラブスピード●44.1m/s
ボール初速●65.7m/s
打ち出し角●11.7度
スピン量●2228rpm
降下角●32.4度
キャリー●221.2Y
飛距離●250.2Y
打ち出し方向●1.8度右
スピンアクシス●11.6度左
SIDE●8.1Y左
【GCクワッドのデータ】
Hインパクト●9ミリトウ
Vインパクト●5ミリ高

パラダイム Aiスモーク Ti340 ミニのロフト角11.5度をHS44m/s前後で試打したときのトラックマン4のデータ(上)とGCクワッドのデータ(下)
癸生川プロの打感と弾道を見ての感想は「重心距離が短くなっているから球がつかまりやすい。ロフト11.5度でスピン量が2228rpmなら、やっぱり使い方としてはドライバーだなって思いますね」。
小島プロのデータ分析
クラブスピード44.1m/sに対してボールスピードが65.7m/sですから、効率としては悪くない。スピン量は2228rpmで落下の角度は32.4度、この数値をみると確かにドライバーですね。打球は1.8度右に飛び出してから11.6度左に傾いて、8.1ヤード左に着弾した、ちょっと強めのドローです。(この後、11.5度で40m/s前後で打ってみたが、結果を見て小島プロは)11.5度で40m/s前後だと、球が上がり切らない。シャフト43.5インチですから、このクラブをドライバーとして使うには、クラブスピードで43m/sくらいは欲しい。
ではロフト13.5度にした時に、44m/sで球は上がるのかを検証してみよう。
ロフト13.5度をHS44m/sで打ってみる
【トラックマン4のデータ】
クラブスピード●44.3m/s
ボール初速●66.0m/s
打ち出し角●11.5度
スピン量●3364rpm
降下角●43.8度
キャリー●227.1Y
飛距離●242.1Y
打ち出し方向●0.6度右
スピンアクシス●2.4度右
SIDE●8.9Y右
【GCクワッドのデータ】
Hインパクト●2ミリトウ
Vインパクト●2ミリ低

パラダイム Aiスモーク Ti340 ミニのロフト角13.5度をHS44m/s前後で試打したときのトラックマン4のデータ(上)とGCクワッドのデータ(下)
癸生川プロの打感と弾道を見ての感想は「打つ前に受けた印象はロフトが2度違うと、見た目はフェァアウェイウッド寄りにきてるなって感じがしたけど。打ってみて違い過ぎる。別のクラブっていう感じがする」。
小島プロのデータ分析
クラブスピードもボールスピードも、ほぼ11.5度の時と変わりません。打ち出しの高さは11.7度だったものが11.5度と減じていますが、これはインパクトの当たり方の違いによるものです。スピン量が3364rpmになったから1100rpmくらい増えましたね。その結果、落下の角度が43.8度に大幅に増えました。ロフトが13.5度で2度増えたことでグリーンを狙えるクラブに変わったということです。キャリーは13.5度のほうが約6ヤード出ています。データ的には、飛び系のスプーンくらいのイメージかなと思います。
さて、今回の試打の目的である『パラダイム Aiスモーク Ti340 ミニ』はドライバーとして使うべきか、スプーンの代用として使うべきかという命題の二人のアンサーは?
小島: 注目したいのは、13.5度の時は癸生川プロの入射角はマイナス1.4度で、上から当てたっているんです。最初に言ったスプーンとして使っているグレイサーマンも上から打っていたのと同じです。
癸生川: それは無意識だよ。
小島: だから無意識に13.5度はスプーンとして打っているということです。一方の11.5度はアタックアングルは0度だからレベルに入れてこようと意識があるからドライバーとして打っている。だから結論としては、『パラダイム Aiスモーク Ti340 ミニ』11.5度はドライバーの代用、13.5度はスプーンの代用として使い分けるということでしょうね。
結論

試打を担当した癸生川喜弘プロ(左)とデータ分析を担当した小島慶太プロ(右)
今回の試打では、『パラダイム Aiスモーク Ti340 ミニ』の試打を行ったが、二人のプロはどういうタイプのゴルファーにマッチすると思ったのか、聞いてみよう。
「11.5度と13.5度の使い分けができるクラブ、というか使い分けが必要なクラブ。11度はドライバー、13.5度はスプーンの代わり」(癸生川)
「僕の印象も同じで、11.5度はドライバーの代わり、13.5度の場合は3Wの代わりに入れてみると面白いと思います」(小島)
キャロウェイ『パラダイム Aiスモーク Ti340 ミニ』は340ccで長さ43.5インチという、現在の大型ヘッドのドライバーからすると、一昔前のスペックのドライバーだ。短いが故に、振りやすさ、打ちやすさ、ミート率向上が期待できるというのがメーカー側の訴求ポイントだったが、今回の試打では、ロフト11.5度でHS40m/s前後で打った場合、球が上がり切らないので、43m/s以上は必要だという結果も出た。つまり、短いから楽に打てるというわけではないということ。一般のアマチュアの平均的なクラブスピードは40m/s前後だから、ココは押さえておきたいポイントだ。
みんなのゴルフダイジェストYouTube「みんゴル試打班ガチギアトラック」では、キャロウェイ『パラダイム AiスモークTi 340 ミニ』の、最適ヘッドスピードの割り出しの外に、オフセンターヒットの検証なども行っているので、より詳しく知りたいという人は、そちらもぜひご視聴を。
試打動画をチェック!
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youtu.beTHANKS/アコーディア・ゴルフ技術研究所