小祝さくらは、自分のスウィングがあまり好きではない。「私、昔はすごくオーバースウィングだったんですよ。今、オーバースウィングって時代的にあまりよくないと言われていますよね。だけど、子どもって力もないし身長も低いので、オーバースウィングになりやすいんです。だから、私もオーバースウィングで育ったわけです。今でもオーバースウィングが抜けなくて、人よりひどくて、何だかなあ、と感じることは多いんです」

シンプルでムダが少ないと言われる小祝のスウィング。本人がムリしていないからできるものだ
淡々と語る小祝。もちろん、オーバースウィングを直そうと思ったことはあるし、そのためにいろいろな取り組みもした。
「直そうとしたことは、2回くらいあるんです。高校生のときに1回、2年前くらいに1回あるんですけど……」とここまで何だか考えながら話をして、「いや、でも、直さなくていいと思います。私も試して結局ダメで、元に戻した人なんですけど、結局、オーバースウィングが絶対ダメということではなくて、人それぞれ合う、合わないというものが絶対にあるんです。だから、オーバースウィングでもボールが真っすぐ行っているなら、全然変えなくていいと思います」。こうきっぱりと言い切った。
もちろん、自分で試してみることは悪いことではないけれど、他の人に影響されすぎて、自分にムリになることはする必要がないと考えているのだ。
実はローリー・マキロイのスウィングが好きだという小祝だが、自分のスウィングは貫き通す。こうして他人に影響されないから小祝さくらは強い。
今でこそ試合中は、毎週月曜日にトレーニングをし、体のケアもほぼ毎日しっかり行うが、トレーニングについても、「あまり小さいときはやらないほうがいいと思います。中学生の後半や高校生になってしっかりやるほうが、体の成長に負担が少ないと思うんです。私も北海道のゴルフ連盟のトレーニングなどに参加はしていたけれど、びっちりやってはいなかったですね。それに、やるなら、トレーナーさんがいたほうが安心だし、しっかり取り組めると思います」

仲良しの勝みなみも、しっかり体を作るタイプ。日本の試合に出場する合間に、一緒におしゃべりしたり、ダンスしたり、楽しく過ごしました
ただし、「走ること」はかなりおススメするというさくら。「走るのはめっちゃいいですよ。特に若いときは、家の周りなどでもいいので、毎日走ることを続けるのは大切だと思いますね。私も毎日、15分から20分くらいは走っていました」
なんとなく意外に感じる方もいるかもしれない。しかし、小祝さくらはずっと地道に、自分らしく、体を鍛え、スウィングを作ってきた。継続は力なり。新学期を迎えるジュニアの皆さんへ、さくらからのさりげないメッセージである。
※週刊ゴルフダイジェスト2025年4月15日号〝ゴルフときどきタン塩〟より(PHOTO/Hiroyuki Okazawa)