小祝さくらは、先月、25歳の誕生日(4月15日)を迎えた。さくらの名前の由来は、多くの皆さんの予想通り、桜の季節に生まれたからだ。
将来の夢はレジ打ちでした
「でも、ぜんぜん気に入っていないんですよ、自分の名前。昔から嫌いだったんです。小祝という苗字がいちばんイヤで。珍しいから恥ずかしくて、学校で自分の名前を言うときなんか、めっちゃイヤでした。今はさすがにそういう恥ずかしさはなくなりましたけれど」
さくらという名前も気に入っていないらしい。「もう少しかわいい名前がよかったです。もっと女子っぽいのがよかった。もし、自分の子どもに付けるならば、なんだろう……りんちゃんとか、まりんちゃんとか、かわいい感じの名前がいいかなあと思います。私自身が、和風系ではない名前がよかったですしね(笑)」
周りからみれば、小祝さくらは和風美人に見えるが、そうイメージづけられるのがイヤなのか、あまのじゃくなのか。そんな小祝さくらに、将来の夢は何だったか聞いてみる。
「小学生から中学生くらいまでの夢はずっと、レジ打ちだったんです。ずっと憧れていて、将来の夢だったんですけど、高校生のとき、リサイクルショップのアルバイトで実際にやったんです。念願のレジ打ちだ! と思ってやったら、全然想像と違って(笑)」
小祝は、バーコードを読み取るタイプの自動的な機器を想像していたらしい。「自分の手で打つものではなくて、バーコードをかざしてピッてやるやつです。でも、そのお店は、全部手で打つので、難しいし、プレッシャーなんですよ。間違えたらダメだし。今では、なりたい職業ではなくなりました」
プロゴルファーは、たいへんではありますから
ただ、生まれ変わっても、プロゴルファーにはなりたくないのだという。今くらいの実力があったとしても、だ。
華やかな職業なのに? 「まあ、たいへんではありますから、へへへへ」。何となく笑いに変えてしまったが、女子プロ稼業は見た目ほど、華やかでも、ラクでもないことは、身に染みて理解している。
いつも穏やかでホンワカしている小祝さくらだが、やはり、心の中には、ツラいことも悔しいこともたくさん持っていて、それを乗り越えるために日々努力をしている。
桜が毎年、美しい花を咲かせて皆を楽しませてくれるように、小祝さくらもまた、意外にアグレッシブなプレーと不思議な言動でわれわれを楽しませてくれる。北海道の‟さくら”は、いまからが本番。今年もまた、花を咲かせていく。
※週刊ゴルフダイジェスト2023年5月9・16日合併号より(PHOTO/Satoru Abe、Shinji Osawa)