昨秋大型ハリケーンの被害を受け多くの樹木を失いフェアウェイが濁流にのまれたオーガスタナショナルGC。今年の本番までに果たして修復されるのか心配されたが半年も経たないうちに輝くような姿を取り戻し選手たちを驚かせている。

フィル・ミケルソンが語ったオーガスタでのエピソードとは?(写真は2024年のLIVゴルフラスベガス 撮影/Blue Sky Photos)
直近のLIVマイアミ大会の記者会見でマスターズについて質問されたミケルソンは「少し時間があるのでオーガスタの話をしましょう」と本人が経験したエピソードを語り始めた。
フィル・ミケルソンが語るオーガスタナショナルの底力【LIVゴルフリーグの公式X(英語)より】
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x.com「ある年のことです。トーナメントの2週間くらい前にオーガスタで練習ラウンドをしていました。その日11番でティーショットを打つ準備をしていると左サイドにあった巨大な松の木が突然フェアウェイ方向に倒れてきたのです。ちょうど前の組がその木まで100ヤード地点でプレーしていました。フェアウェイの芝も酷い破損状態でした」
ティーイングエリアから下りて歩いていくとスタッフのトランシーバーから「2番ホールから11番へ、4番から11番へ直行」と指示する声が聞こえてきた。するとあっという間に何十人ものスタッフが駆けつけチェーンソーの音を響かせた。
「11番をホールアウトする頃には木の枝はすべて切り落とされトラックの荷台に積み込まれていました」
さらに15番に差し掛かった頃に確かめると「幹の部分も切られて丸ごと持ち運ばれようとしていました。18番のティーから見たときにはフェアウェイの芝を張り替える作業が始まっていました」
あまりの迅速な対応に驚いたミケルソンは「普通のコースだったら巨木が倒れても3週間くらいそのまま放置しているでしょう。でもオーガスタでは2日もしないうちに何事もなかったかのように元通りの状態に整備されていたのです」
おそらく昨年のハリケーンの後の対応もミケルソンが目撃したような素晴らしい能力と使命感を持つスタッフたちによってわずかな時間で完璧に修復されたのだろう。
「初めてこの話をしましたが、あの光景は私が見たなかでもっとも印象に残った出来事の1つです」
オーガスタには今年もフェアウェイにチリ一つ、落ち葉1枚落ちてはいない。そして今週54歳のミケルソンは32回目のマスターズの舞台に立つ。