ゴルファーの高齢者対策や酷暑による熱中症対策の一環として、カート運転サービスを開始したゴルフ場がある。
画像: エバーグリーン(一年中緑)のフェアウェイ乗り入れ開始の有馬CC)

エバーグリーン(一年中緑)のフェアウェイ乗り入れ開始の有馬CC)

兵庫県にある有馬CCが始めた「カードライバー制度」がそれだ。この場合のドライバーとは“キャディの運転"とは異なる。コース攻略の説明や、飛球の行方を見たり、クラブの手渡し、グリーンでの芝読み、ボール拭きなど従来のキャディの仕事は行わず、乗用カートの運転のみに専念するのだ。

同CCのカートは自走式で、これまでキャディ付きプレーに限り、フェアウェイ乗り入れを可能としてきた。これは昨年春から始めているが、特に猛暑・酷暑の7~9月にかけて需要は拡大。むろんセルフプレー客からの要望も多かったが、断っていた理由がある。

「キャディ付きに限定していたのはなんといっても安全第一ということから。当コースは両サイドが谷になっていたり、アップダウンの激しいホールもあって、運転ミスは重大事故につながりかねません」(同CC支配人、稲葉宏保氏)

しかし一方で「フェアウェイの乗り入れをしたいのに、キャディが足りないからと断念した」とか、「価格的にキャディフィーは厳しいが、フェアウェイには乗り入れたい」という声も多かったことから、同サービスの導入に踏み切った。

それに高齢者や熱中症対策だけでなく、アルコールを飲みたい人、乗用カート未経験者などの需要も期待できるという。料金は会員・ビジターを問わずプレーフィーとは別に1組6600円、これにフェアウェイ乗り入れ料(1名につき会員が500円、ビジター1100円)が加算される。

「この価格が適正かどうかは、これまで前例がないので随時検証していき、必要とあれば改定も考えています。当分は従業員で運営していきますが、場合によっては新たな雇用が必要になるかも……」(前出・稲葉氏)

同CCは1960年開場。設計は保田与天。今を先取りするかのように開場当時からベントの1グリーン。フェアウェイはエバーグリーンだ。同CCでは一般客がラウンドを終えた後、気兼ねなく90分ラウンドできる「初心者ゴルフ体験プラン」などが用意されていて、アイデアに富んだ企画実施コースとしても知られる。

一年中緑のフェアウェイを運転手付きカートで走り回るのは爽快だ。

※週刊ゴルフダイジェスト2025年4月22日号「バック9」より

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